出版社内容情報
鬼才・古屋兎丸のあの伝説の“少女”が、再び降臨! エンキ・ビラルも驚愕のオールカラー・コミックが、新装版で待望の復刊。
古屋 兎丸[フルヤ ウサマル]
1968年東京都生まれ。多摩美術大学美術学部絵画科卒業。『月刊ガロ』で漫画家としてデビュー。著書に『ライチ☆光クラブ』『帝一の國』『女子高生に殺されたい』など、多数。
内容説明
物語と物質との奇跡の融合―こんな漫画見たことない!!木・鉄・ガラス…さまざまな物質に描かれた、“少女”という異種の生きもの。「STUDIO VOICE」に連載され、90年代末に大きな衝撃を与えた、古屋兎丸初期の名作が、16年の時を経て、新装で甦る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
12
これは素晴らしい!芸術作品に限りなく近い、過去に「STUDIO VOICE」に連載された兎丸先生の問題作が河出書房新社から新装版で甦りました。オールカラーで様々な素材(布、ガラス、板挟、段ボール、BOX,etc)に描かれた一人の少女の物語かそれとも独り言または妄想か?多くは語りませんとにかくこれは所有したくなる本です。このクオリティーで2100円は高くはないです。兎丸さんの初期の病気✖️狂気の不気味さにも溢れています。ファンは必携アイテムです。河出書房新社さん有難う!2016/10/23
袖崎いたる
5
ガラスの表象を借りて表現されがちな少女を、あえてプラスチックという、陳腐でありチープなイメージを以て描いた作品。或る意味では、所詮はありふれたものとなっている少女の儚さは、大量生産的に、あたかもプラスチック製品のようにありふれているのかもしれない。彼女たちの痛ましさの陳腐さを、どうもてなせばいいのか、この時代に。2017/12/27