出版社内容情報
「我はありもしなかったクリスマスの幽霊である」ゴーリー風味にアレンジされた『クリスマス・キャロル』オールカラー絵本!
【著者紹介】
1925年シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章とモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表。邦訳書に『ギャシュリークラムのちびっ子たち』『うろんな客』などがある。2000年没。
著者等紹介
ゴーリー,エドワード[ゴーリー,エドワード] [Gorey,Edward]
1925年、シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章と、独自のモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表している。またエドワード・リアやサミュエル・ベケットらの作品の挿画、劇場の舞台美術なども手がけた。幻想的な作風と、アナグラムを用いた(Ogdred Wearyなど)ペン・ネームを使い分けて、たくさんの私家版を出版したために、多くの熱狂的コレクターを生みだした。2000年4月15日、心臓発作のため死去。享年75歳
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生まれ。アメリカ文学研究者。2005年『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞受賞。ほかの著書に『生半可な學者』(講談社エツセイ賞受賞)などがある。2010年、ピンチョン『メイスン&ディクスン』(上下、新潮社)で日本翻訳文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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buchipanda3
109
ゴーリーのクリスマス。本を開くとカラーだったので思わず声が出た。それでも登場する者たちは著者らしいモノクロ線のタッチで、それはそれで良い。物語は主人公がイブの日にお茶を飲もうとするところから始まる。何やらケチな男だと思ったら、なるほど「クリスマス・キャロル」のパロディだった。過去と現在と未来の亡霊も出没する。そして様々な光景を見せてくれるのだが、人生の悲哀の中にホントどうなってるのな場面が幾つも混ざって現れる。まるで無意味なものは無意味だけどそれでもいいっていう感じか。まさにゴーリー的な遊び心を堪能した。2022/12/08
藤月はな(灯れ松明の火)
101
ゴーリー版『クリスマス・キャロル』。元ネタであるディッケンズの『クリスマス・キャロル』はディズニーによる映画版しか知らないのですが、狂言回しの蟲も登場してかなり、へんてこりんな状況になっています。まず、10年も経ってカッチンコッチンになったケーキなんて、ばっちいから捨てなさい!三つの影が厭世家に見せるは人生に起こりうる哀しみ、悲嘆など、気が落ち込むものばかり。でも壁紙盗難事件がまさか、繋がっていたんて。そして何で北海道!?最後の乱痴気騒ぎなんて呆れを通り越して笑えます。2017/05/17
kinkin
88
ディケンズの「クリスマス・キャロル」のパロディらしいですが、読んでいない。だからこの本を読んでいてもなにやらさっぱり分からなかった、いや最初から二つ目までが終わってさあどうなるかと楽しみにしていたら見事に裏切られた。しかしそれはそれこれがとエドワード・ゴーリーという人なのだと思ってしまえば。ここまでわからないと笑ってしまう。ますますエドワード・ゴーリーのファンになったような気がする。 2016/06/01
マエダ
86
ストーリーは一応あるが、なんの話なのか全然わからなすぎておもしろい。2016/05/26
吉田あや
83
ゴーリー特有のスパイスで味付けされた「クリスマス・キャロル」。クリスマスイヴに一人でお茶をしようと準備する世捨て人グラヴルの元に不気味な旅の伴走者となる虫が登場し、いよいよ黒ずんだ透明の亡霊が現れる。過去、現在、未来かもしれない場所で出会うクリスマスの亡霊たちが時に威嚇的、警告的、詰責的に見せる胸に迫る、胸が痛む、胸を裂く情景。クスクス笑いと金切声のはびこる館でブラックな言葉遊びと絵を何通りにも楽しみながら、The Bahham Bugが少し変化して再登場するという続編をにやにやしながら待とう。2016/03/01