出版社内容情報
文筆家・赤瀬川原平はここから始まった。法廷、メディア、社会を「作品」と化した千円札事件の全て。著者自装の現代思潮社版を復刻。
【著者紹介】
1937年横浜市生まれ。美術家、作家。千円札事件被告。1981年『父が消えた』(筆名・尾辻克彦)で第84回芥川賞を受賞。著書に『櫻画報大全』『東京ミキサー計画』『老人力』『日本美術応援団』など。
内容説明
美術史上最大のニセ札事件!法廷、メディア、社会をも「作品」と化した戦後最大の芸術作品=模型千円札事件。被告である赤瀬川みずから事件を記述し、文筆家・赤瀬川原平の誕生を告げる幻のデビュー作。1970年の現代思潮社版を復刻!付録=瀧口修造による零頁「原型的な黒いユーモア」
目次
1(オブジェを持った無産者;“資本主義リアリズム”論;行為の意図による行為の意図 ほか)
2(あいまいな海;続あいまいな海;ゴム紐つきの黒い映画は無届けを当然として ほか)
3(東映の札束と『李さん一家』;瀧口修造の…;戦争名画と反戦名画 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
26
伝説の千円札裁判事件を描いた「前衛芸術家時代」の1970年の初著書の2015年での再刊。この名著がなぜ、再刊されないのかと、長年、思っていたが。2014年の死去を機に再刊ということは、赤瀬川原平自身は、再刊したくなかったのかな。時代的に左翼的な表現が多かったため、ノンポリに変じたあとは気恥ずかしかったのかもしれない。
hurutakouichi_gallerys
0
お金のいらない世界の批評として良くも悪くも限界があった左翼の終わり。今良くも悪くも求められてるのは、いいねのいらない社会のシンギュラティとしての右翼の終わり、はじまりだろう。2025/04/24
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