内容説明
藤田平、江夏豊、川藤幸三、上田二郎、山本和行、掛布雅之、大石大二郎、阿波野秀幸、野茂英雄、中村紀洋ら、多くの個性派を獲得。阪神、近鉄で日本球界スカウトの草分けとなった「スッポンの河さん」の、人情味あふれる裏方人生。ひとを見極める力を探る、渾身のスポーツノンフィクション。
目次
第1章 東京六大学のスター選手
第2章 ホークスの韋駄天
第3章 タイガースのスカウトに
第4章 掘り出し物を次々と獲得
第5章 パ・リーグの在阪球団近鉄へ
第6章 近鉄最後の優勝の基盤を作る
あとがき 名スカウト河西俊雄が残したもの
著者等紹介
澤宮優[サワミヤユウ]
1964年、熊本県生まれ。ノンフィクション作家。青山学院大学文学部史学科卒業、早稲田大学第二文学部日本文学専修卒業。主に影の世界で懸命に生きる者に光を当てることをテーマに幅広く執筆。2003年に刊行された『巨人軍最強の捕手』(晶文社)で第14回ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シュラフ
24
阪神と近鉄のスカウトとして、江夏・藤田・川藤・掛布・阿波野・大石・野茂・中村(紀)らを入団させた伝説のスカウトマンの生涯。スカウトマンの仕事は選手の素質を見抜くことだけではない。プロ入りを不安に思う選手とその家族を説得するのも仕事である。だから選手の入団後のことも気になる。「スカウトは漁師。監督、コーチは料理人。両方が上手くいかないと選手は育たない」というのは、せっかくの新人がつぶされることに対する彼の悲鳴の言葉である。試合ではまったく目にすることはないが、彼らもまたチームを支える大切な裏方なのである。2016/08/15
AMOROS
3
阪神85年優勝、近鉄10.19 2001優勝の礎を気づいた名スカウトの話。溢れるほどの人柄が交渉を巧く進めるのね。高校生獲得が巧い鹿島のスカウトもこういう人たちなんだろうか。2014/04/21
koji
2
スカウトは、人を見分ける眼と誠意です。河西さんは、とても幸せな87年の生涯だったのではないでしょうか。とても読みやすい本でしたが、本人の生々しい言葉を聞きたかったというのが本音です。伝聞が多く少し冗長で薄味になりました。(以前、別のペンネームで書いたものをkojiに移しました)。2010/09/12
kikizo
2
伝説のスカウト河西氏の生涯を追いかけた書。昔働いていたところに、彼の息子さんが先輩でいました。結婚式には近鉄OBを始め野球関係者が大勢お祝いに来られたそうです。今はこの人のような人間味あふれるスカウトも少なくなったようです。時代の流れでしょうか。河西氏から野球の話を聞きたかった。2014/02/18
ご〜ちゃん
2
能力を見抜く実力と、人当たりの良さ。両方兼ね備えていたスカウトの話。自分のストライクゾーンをはっきり持っていた人だと思う。2011/01/05