内容説明
現在のサブカルチャー・シーンのもっとも注目すべき表象を独自に分析し、現代文化がはらむ根底の深みに降りてゆく。ジョン・レノンから復習し、やまだないと、浅井健一…へと授業はつづく。どんどん読み進めるサブカルチャー論の決定版。
目次
1 ジョン・レノンの天才的な声は非哀感とサイケデリック感との間に無数の目盛りをもっている
2 「どうしても…になってしまう」というニール・ヤングの身体感覚のつくりだす欠落、それが中学生の僕にはカッコよかった
3 エコ色を駆使して限りなく淡く食物の「排除」を繰り返したあるダイエット・ネットワークが消滅した
4 心と身体との全体化を志向するアメリカ製「ニューエイジ」の精神が拒食症者に気味わるく反映している
5 「女の複数性」を捉えるAV映像は記憶そのものの像のゆらぎと実はひじょうに似通っている
6 企画物AVは現代社会特有のシステマティックで多型的な悪を「性愛」とともに映しだす
7 やまだないとの漫画の「線」はアニメイトされることを夢見つつ「文字の予感」的な痒みをも湛える
8 やまだないと「エロマラ」ではビニール越しに性愛が死のように静かに模様化される
9 “ブランキー”浅井健一のギターはロックの歴史を蒐集しつつ具体的な結像を必ず回避する
10 浅井健一の散乱的な歌詞世界では最終的には場所のみではなく人間や記憶すら廃墟になってゆく
著者等紹介
阿部嘉昭[アベカショウ]
1958年、東京生まれ。批評家。現在、立教大学非常勤講師
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