内容説明
深いヨミに裏づけられてぎりぎりの所で戦うプロの碁には、わずかな隙に「鬼手=相手の意表を衝いて肺腑をえぐるような辛辣な手」が出現します。本書は数多の名局のなかかな鬼手と呼ぶにふさわしい71手をえらび解説したものです。鬼手を味わい鑑賞するうちに、攻防の急所・逆転の妙着を見つけ出すセンスが自然に身につきます。
目次
序 鬼手物語(鬼手の見本;鬼手のヨミ;置き碁の鬼手;打たれざる鬼手)
鬼手の世界(これぞ鬼手;蛇手;敏手;針手;快手 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
45
囲碁の「妙手・鬼手」を紹介する本は、だいたい網羅して結構、読んできたつもりであったが。99年刊行のこの本は、見逃していた。ほとんどが自分が知らない手ばかりであるし、時代も江戸・明治・大正・昭和・平成と多岐に渡り、非常に面白かった。「週刊碁」に平成8年から9年にかけて1年半、連載したものをまとめたとのこと。 坂田栄男との対談で、「100局並べて、1手あるかどうか」というのだから、大変な探し方をしたようだ。あと、その対談で「鬼手が多い棋士」としてあげられていたのが、岩本、橋本宇太郎、坂田自身、趙、武宮。2021/07/23