内容説明
新型コロナワクチン開発の立役者。未来に向けて贈るメッセージ。
目次
第1部 肉屋の娘
第2部 科学についてのごくごく短い合間の話
第3部 目的意識
第4部 組織内の部外者
第5部 スーザンのお母さん
第6部 一変した世界
著者等紹介
カリコ,カタリン[カリコ,カタリン] [Karik´o,Katalin]
1955年生まれ。ハンガリー出身の生化学者。ペンシルベニア大学特任教授。ドイツのビオンテック社顧問。40年にわたる研究を経て、アメリカの免疫学者ドリュー・ワイスマンとの共同研究により、遺伝情報を伝える物質「mRNA」を医療に応用する技術を開発。ファイザー社/ビオンテック社およびモデルナ社の新型コロナワクチンの開発に貢献した。その功績が讃えられて、アメリカのラスカー賞(2021年)、日本の慶應医学賞(2021年)、日本国際賞(2022年)など、数々の科学賞を受賞。2023年には、ノーベル生理学・医学賞をワイスマンとともに受賞した
笹山裕子[ササヤマユウコ]
翻訳家。上智大学外国語学部英語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シャコタンブルー
53
コロナワクチン開発までの苦難の道のりが語られている。博士が生まれ育った当時はハンガリーは共産国家だった。そんな劣悪な環境の中でも誰よりも努力して「あとひとつだけ」をモットーに何度も実験をして仮説実証する姿勢が後に花開く。セゲド大学からペンシルバニア大学へ進むが何度も挫折し絶体絶命に陥る。底意地の悪い教授からの妨害、学課長からも実績が悪いと大学を追い出される。逆境の中でも前向きにひたすら研究し探索する。そしてついにmRNAを活用する方法を発見する過程は感動的だ。父親、夫、娘のエピソードも素晴らしかった。2024/08/08
kema
2
女性であり研究者であり母である事の大変さ、アメリカに行ったからこそ困難だが道が開く事が端的に表現された本だと思った。アメリカの頭脳や教育に投資することの惜しげなさは日本が選ばれない理由にもなる。いつか日本が技術立国に返り咲く為に何にお金を使うのかという視点でも読み解く事ができた。2024/10/05
ふみりな
1
これだけの強い意思を持ち目標に邁進できるのはなぜか。家族を愛し家庭を大切にしながら、環境をものともせずに自身の目標に立ち向かう姿勢には驚嘆する。日本人にはないものごとの捉え方ができる。2024/12/14
本の小さな虫
1
新型コロナウイルスワクチンの元となるmRNA研究者。この本は彼女の伝記だが、研究内容がわかりやすく書かれていてとても面白かった。苦難多き彼女の人生を乗り越えると言うか、気持ちを奮い立たせて研究を続けてくれた事に感動した。一読の価値あり!2024/10/24
Q
1
mRNAを使った治療法を半生をかけて追求し続けた研究者の自伝。とにかく努力がすごい。またこのmRNAを使うアイデア自体は、ワクチンに応用するというアイデアではないが、彼女の学部生から暖めてきたものだということに驚いた。一方で研究機関が短期的に収益化できない基礎研究に予算を割り当てられないという悩みに対する特効薬は存在しないだろうという考えはこの本を読んでも変わらなかった。彼女のテーマでさえ冷遇されるのだから数学や理論物理学はもっと大変だろう。2024/09/05
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