出版社内容情報
動物たちの、時に残酷で、時に力強い生き様から人間が学ぶべきこととは?旭山動物園の前園長が教える“たくましい生き方のススメ”。
内容説明
獣医師として旭山動物園に就職、その後、園長として数々の動物の生と死を見守った著者が見たもの―。それは、「本能」という言葉だけでは言い尽くせない、動物たちの力強い「生きることへの執念」であった。その生きざま、生命の輝きは、複雑な社会を生きる私たちに、貴重な示唆をいくつも与えてくれる。
目次
動物の誕生に学ぶ
動物の親と子に学ぶ
動物の夫婦に学ぶ
動物の性愛に学ぶ
動物の争いに学ぶ
動物の負け方に学ぶ
動物の勝ち方に学ぶ
動物の時間術に学ぶ
動物の季節感に学ぶ
動物の教育に学ぶ
動物の老い方に学ぶ
動物の死に学ぶ
著者等紹介
小菅正夫[コスゲマサオ]
1948年、北海道生まれ。北海道大学獣医学部卒。獣医師として旭川市旭山動物園に就職し、95年、園長に就任。「行動展示」や「夜の動物園」などの企画を成功させ、動物園として有料来園者数日本一を達成。一時、閉園の危機にあった旭山動物園を再建した。09年に定年退職。全国で講演活動を行なっている。北海道大学客員教授、中央環境審議会野生生物委員会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トムトム
32
おっしゃる事がよく分かります。生身の動物たちと触れ合ったほうが良い!私が昔24時間勤務の会社員をしていた時、心に余裕がなく世を呪い人を呪い世界はクズだと思っていました。転職して動物がらみの仕事になり心に余裕ができてからは、我ながら別人のようになりました。未来への不安もなく、今日も楽しかった!と一杯飲んで眠りにつく毎日。人間も動物だと気付くには、先入観なしで対等に動物たちと付き合う事だと思います。悟りとは、平気で死ねる事ではなく、平気で生きられるようになる事。私もそう思う。2021/05/19
ひめぴょん
17
動物園という小さな穴から動物の世界をのぞいてきたという著者。動物の生きている意味は、命をバトンタッチすること。生命が求めるのは効率の良い子育て。そんな内容を具体的事例をもとに実感させてくれる。以下は文中引用とミニ感想です。 動物は生まれた瞬間から死へ向かって一直線に突き進んでいる。 生まれてくることは、決して当たり前ではない。 常に相手のことを考えるとき、自分の判断ですべてを理解しようとするというのは人間の悪い癖。 育児をする魚(マウスブリーダーであるディスカスなど)は稚魚を育てるために自分の存在すべてを2023/08/04
kirinsantoasobo
12
生き物の生と死についてたくさん考えさせられました。子育てひとつとっても様々な形があり、子孫を残すための驚きの戦略などから自然の厳しさを感じました。とくに、生物には生き残りのために殺気という第六感が備わっているそうですが、人間はある時から襲われたり食べられるという危機感がなくなり失ってしまったと知り、同じ自然界に生きる生物としてそれでいいのか複雑な心境になりました。いちばん印象に残ったのは、人間が疑問をもち深く考えようとしなくなっている事です。動物園に行ったら、時間をかけてじっくり観察して欲しいです。2023/12/25
おにぎりまる
2
人間の世界だけでは忘れてしまいそうな、動物としてのヒトを、他の動物たちの観察を通じて考えた本。というと少し堅苦しいけど、とても分かりやすく、様々な動物たちを観察して考えたことが記されている。特に老いについては、ため息が出るくらい刺さった。2023/05/07
ユキタ
2
図書館。子ども科学電話相談でお馴染みの小菅先生の本で、動物に対する、命に対する真摯な眼差しが根底に流れた愛情深い1冊だった。2019/05/05
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- 和書
- 宇宙から見た日本