内容説明
それがなぜ病気なのか?薬で治せばよいものなのか?自らもうつ病を抱える心理療法家が問う。診断基準の裏事情、医者と製薬会社とカネ、研究と治療法の紆余曲折…、「うつ」はこうして作られてきた。
目次
「うつ」、作られた病
最古の「うつ」
薬で治すことの起源
患者への感情移入は、いらない
「うつ」を社会にとって安全なものに!
精神分析には何ができないか
ショック療法あれこれ
LSDとエクスタシー麻薬体験について
ハイになること、儲けること
薬の効果の調べ方〔ほか〕
著者等紹介
グリーンバーグ,ゲイリー[グリーンバーグ,ゲイリー][Greenberg,Gary]
1957年生まれ。心理療法士、ライター。コネティカット州在住
柴田裕之[シバタヤスシ]
翻訳家。早稲田大学・Earlham College卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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春風
4
前半は精神医学史のおさらいで退屈。産業としての精神医療を語る中盤は面白い。認知療法や脳科学を扱った後半はバイアスが強すぎて公平性を欠く。2012/01/14
くさてる
1
こういう本が書かれるほど「うつ」という病に関わる人は多く、その正体を断言できる人は少ないのだなと感じた。この本も、視点の偏りが気になるけれど、そういう立場から見たものだと納得して読み進めていけば、一般的な「うつ」の教科書とはまた違った風景を見ることが出来ると思う。2012/03/17
tanukiarslonga
0
迂遠な文体で読みにくいが、病的なうつと正常な悲哀の境目はどこなのかという古くからの問いを、製薬業界などの医療システム、精神医学の妥当性、自助を尊ぶアメリカ的精神風土への疑問を絡めながら執拗に追及。2012/11/16
米光一成
0
ようやく読み終わった。文章がうねうねしているうえに、不思議な言い換えが多くて、するっとは読めないので、なかなか読むのに時間かかった。かかるんだけど、地道に読み進めたのは、おもしろかったから。 うつの歴史、精神分析とうつ、薬と診断という産業、認知療法、脳科学、など、うねうねと検証しつつ、著者自身のことを語るパートがさしはさまれるのだが、薬んところ、そーきたかーっ展開で驚く。 ちょっと、結局、文系男子っすね、仲間っすね、という共感が、この本を好きである理由のような気もしないことはないけど、すっげー本だなー。2012/02/23