内容説明
古代エジプトから相対性理論まで―文明の流れのなかで数学がはたしてきた役割を活写する古典的名著。
目次
概説―正しい考え方とまちがった考え方
経験的数学
数学的精神の誕生
ユークリッドの『エレメンタ』
星に物差をあてる
自然は合理性をうる
幕合劇
数学的精神の復興
世界の調和
絵画と透視法〔ほか〕
著者等紹介
クライン,モリス[クライン,モリス][Kline,Morris]
1908‐1992。応用数学者。数学教育にも力を注いだ。元ニューヨーク大学教授
中山茂[ナカヤマシゲル]
1928年、兵庫県生まれ。科学史家。神奈川大学名誉教授。ハーバード大学Ph.D.(科学史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ががが
3
有史以来、数学が人類の文化にどのような影響を与えてきたか、世間で信じられている誤った観念も直しながら、文化の担い手としての数学精神の歴史を綴る、壮大で重厚な一冊。歴史を追っていくように章が展開していくが、一章ごとに広範囲の分野に数学との関わりがあることを知ることができてとても興味深い。数学という一本の軸と諸学との関連を見ていくのは、さまざまなところに数学の精神があることを発見することができる。数学というものを徹底的に外的に捉えた、数学との距離を置いている人ほど読むことを奨めたい知的な書物。2013/05/03
satochan
2
確かに数学史ではない。数学がこの世界の中でどういう風に位置づけられてどういう風に地位を獲得していったのかがわかるような気がする。大きな壮大な物語。社会の中で一緒に発展していくのかな。ものの見方考え方とらえ方を学べる本。平行線の絵画との結びつき、太陽と地球の関係がくつがえって科学の地位を獲得する話、ユークリッドと非ユークリッドで哲学からの考察とかおもしろかった。2012/03/30
べっか
1
素晴らしい。特に非ユークリッド幾何学の章が良い。真理は乗り越え新しい真理を生み出す。数学に直接興味がなくても、真理についての考え方の歴史について知るために有益な本だ。2018/10/03
Sherlock Holmis
1
数学上の発展が人間と世界との関係にいかなる影響を及ぼしてきたか、という問題に対し、ここまで正面きって取り組んでいる本には初めて出会った。主役は偉大な数学者個人ではなく、彼らが体現していた各時代の考える精神である。2015/03/30
渓流
0
無限についての論考が面白かった。 2015/05/05