内容説明
現実の世界には、真の円というものは存在しない。現実に存在するのは、人間の頭で考えられた幾何学の世界にある、理念としての円の不完全な似姿だけである。著者はこの抽象的な数や図形の世界を支配する数理と、具体的な物の世界から得られる物理の関係という問題を、身のまわりにある円に関連する道具や現象を取り上げ、両者を切り離したり重ねたりして、その関係を語っていく。
目次
1章 πを求めて
2章 ころ、車輪、軸受け
3章 天の時計
4章 数理と物理
5章 地球の見取図
6章 面と空間
7章 天の球
8章 円錐曲線から重力へ
9章 振動
10章 波
11章 人工の構造と自然の構造
12章 実在にして推測される世界
著者等紹介
ゼブロウスキー,アーネスト[Zebrowski,Ernest Jr.]
バトン・ルージュにあるサザン大学の数学・科学教育の教授及びペンシルバニア州立ペンシルバニア工科大学の物理学教授。「Perils of a Restless Planet: Scientific Perspectives on Natural Disasters」等、科学に関しての著書がある
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感想・レビュー
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ponte
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海里,緯度経度など,様々な物事の発祥を知ることができた. しっかり覚えておくことができれば,雑談力が向上する書籍になりそう.2015/02/17
ランクル一番
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小数点以下何桁で区切るかによるが、私たちが使う円周率は丸まった数字である。割り切れない数字が世の中の役に立つ。円や球によって私たちの世の中が進歩してきたことがよくわかった。円周率の計算に世界で初めて取り組んだのは欧州であるが、中国においてもかなり古くから取り組まれていた。円の角度が360分割されていることと、一年がおよそ360日であることより、一日1度になることや、360という整数が7以外の一桁の整数で割り切れることなど、興味があった。30日、60分などの時の単位は円が関与しているようだ。2013/01/17
こうきち
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とても面白い本だった。少し古いとはいえ、絶版になっているのが残念で、意外。いまでこそ理解が広がるであろう内容もあるのにな。2020/03/02