内容説明
1980年に天然痘根絶の宣言が出され、人間がついに感染症を克服したかに思えたその頃から、エイズ、エボラ出血熱、ラッサ熱、牛海綿状脳症、O157など謎のエマージング(新しく出現した)感染症が次々登場し、世紀末の地球上に不吉な影を投げかけている。これら、人獣共通感染症はどのような機構と背景から出現したのか。半世紀近く、人獣共通感染症ウイルスの調査・研究の第一線に立ってきた著者が、初めて世に問う『エマージングウイルス』の実態報告と未来への提言の書。
目次
序章 ウイルスはどのように見出されてきたのか
第1章 人獣共通感染症―種の壁を越えるウイルスたち
第2章 ウイルス研究の現場で―麻疹ウイルスからスローウイルス感染、そしてプリオン病へ
第3章 ワクチン―ウイルスとどう戦ってきたか
第4章 高度危険ウイルスの研究環境―バイオハザード対策