内容説明
死ぬとき身体に何が起きているのか。そして本当に「良い死」とは。死をめぐる画期的名著。アメリカの著名な外科医が自分の豊富な体験をもとに現代医療と医者の在り方を根底より問い、全米に衝撃と感動を与えた大ベストセラー。全米図書賞受賞。
目次
締めつけられる胸
ハートはどうして働かなくなるか
七十歳にてわれ死なむ
高齢者の死への入口
アルツハイマー病
殺人と精神の安らぎ
事故死、自殺、安楽死
エイズの物語〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kanaoka 56
5
現実の死を露にすると共に、どのように死と接するべきかヒントを与える。 死とは自然のサイクルであり、秩序の体系である。一つの世代が次の世代に場所を譲る。その邪魔をする事は子孫の利益に反する。老化と死は、人としての条件であり、誕生とともに始まる壮大な戦略である。 近代の自律性の信念、自己執着が、死に接して、人々をより苦しめる原因となっているのではないだろうか。死の受容は、その価値体系を否定する事である。その精神力、その価値信念の強い人間ほど、死の悶絶に加え、信念への疑念と混乱の交錯という悲劇が起こる。 2016/12/09
がっち
4
医師としての筆者からの見方である。癌、心臓病、殺人、自殺、安楽死などいろいろな死に方がある。これらの死に方を医師の立場から書いてあるのは興味ぶかかった。死という宿命を医師は希望に変えてくれるしかし、医師は単なる実験体と考えているのかもしれない。そう思うと悲しくなる2012/01/16
Sosseki
1
原題の"How We Die"「どのように死んでいくか」の通り、「人間らしい死にかた」ではなく、死んでいく時にどのようなことが起こるのかを心臓病、老化、癌等のタイプ別に、例えば、感染症が起こると体はどんな反応をするか、それが体にどんな変化や苦痛をもたらすか書いてある。「人間らしい死にかた」という題はピンとこない。いずれにしろ、苦痛を伴うことを覚悟し、いつ医療をやめるか、的確に判断することが大事ということだ。2012/04/06
須那 雄太郎
0
津山市立図書館2013/12/17
ドビン
0
人間らしい死に方という邦題とは少し内容が異なり、人がどのような形で死んでいくか、心筋症、脳卒中、癌、エイズ等、人を死に導く死の騎士達の仕業をリアルに冷静に描出していく本書は、死ぬことへの恐怖と覚悟を読む者に迫ってくる。 恐ろしいほどのリアリティを感じさせられた。2019/09/16