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出版社内容情報
ドゥルーズの映画論にして頂点「シネマ」を論じながらこの世界と闘うための思考をさぐる俊英のデビュー作。かつてないドゥルーズ入門
内容説明
『シネマ』を読み解けばドゥルーズがわかる―ドゥルーズのおそろしさと危うさを究めて、この世界と闘い、この世界の信をひらく気鋭のデビュー作。
目次
第1章 仮構作用と生
第2章 映画と二十世紀の戦争
第3章 記憶と忘却、そして偽の力
第4章 真理批判―裁きと決別するために
第5章 自由間接話法と物語行為
第6章 民が欠けている
第7章 言葉とイマージュの考古学
第8章 精神の自動人形のゆくえ
結論 この世界を信じる理由―ユーモアと生成
著者等紹介
築地正明[ツキジマサアキ]
1981年、福岡県筑紫郡生まれ。武蔵野美術大学大学院博士後期課程美術理論研究領域単位取得、博士(造形)。現在、立教大学、武蔵野美術大学、京都造形芸術大学他、非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
79
『シネマ』からのドゥルーズの入門書。映画をとっかかりに彼が語る彼の哲学を論じる。ヒトラーによる、もしくは、ハリウッドによる『神話を搾取し利益を得ようとする』行為、溢れんばかりの『紋切り型(クリーシェ)』などの問題提議などに感心。生を大地を愛することの意味を取り戻すにはと、ちょっと驚くことも。なかなかおもしろい本だった。ある程度類書を数冊読むと理解しやすいかも。取り上げられる映画は名前だけ知っていても、未見でも、特に問題なく理解できる。おすすめ。2020/11/07
ひかり
5
「巨人の製造」などの面白い概念からスタートを切っていて、すぐに引き込まれる。もうすでに始まっている、その感じが重要なのでは、と思う。◆現代映画の人物たちは「思考不可能なもの」に直面する。「見者」と成った者における思考の「石化」。ロッセリーニのある映画に初めて出会った時、ほんの一時の時間が恐ろしいほど肌身に迫る感覚、衝撃を持ってやってきた。映画の中の時間が、自分の人生の時間に突然深く食い込んでいるのを知らされるような。2020/05/19
うに丼
1
抵抗を続け、世界と私を繋ぎ止める2024/05/31
TOMYTOMY
1
めちゃくちゃわかりやすくて、分かった気になっている。がまたすぐ忘れてしまいそう。2023/07/24
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1
ドゥルーズの『シネマ』には映画にまつわる様々なテーマが出てくるが、なんと言ってもファシズムとの闘いが色濃く、この本はそれを真正面から論じていて、「この世界を信じる」という有名なある意味でドゥルーズらしからぬ「人間的」とも捉えかねない表現が、実際は生成の無垢、永遠回帰という極めてニーチェ的な肯定の哲学の表現であるということが良くわかる。2020/01/07