出版社内容情報
日米合同委員会がひそかに強化する対米従属の現状を沖縄、厚木基地、武器輸出問題などを通して検証する迫真のドキュメント。
内容説明
これが戦争の構造だ。アメリカ優位の密約制定機関「日米合同委員会」の正体とは?歪んだ日米関係が形成する戦争体制を、軍事的、経済的、制度的にあばき、その非人間性を「いのちの視点」から告発する画期的ドキュメント。
目次
第1章 日米軍事一体化と日米合同委員会
第2章 武器輸出と特定秘密保護法と「いのちの視点」
第3章 民間人にも戦争協力を迫る安保法制
第4章 日本の戦争と、アジアという鏡
第5章 爆音のない静かな空を―厚木基地周辺住民、半世紀を超える訴え
第6章 老エスペランチスト 由比忠之進の「焼身抗議」
あとがきに代えて 国策とマスメディアと国民の一体化がもたらすもの
著者等紹介
吉田敏浩[ヨシダトシヒロ]
1957年、大分県臼杵市生まれ。明治大学文学部卒業。ジャーナリスト。ビルマ(ミャンマー)北部のカチン人など少数民族の自治権を求める戦いと生活と文化を長期取材した記録、『森の回廊』(NHK出版)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『「日米合同委員会」の研究』(創元社)で日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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土橋俊寛
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武器輸出が可能になっただけでなく、集団的自衛権の行使すれば自衛隊は世界中で米軍とともに戦闘を行なえる。日米同盟は戦争同盟にほかならず、日本はいま「戦争のできる国」になりつつある。 戦争では多くの民間人が犠牲となる。犠牲者に思いを馳せながら、戦争の加害者となってはならないと著者は強調する。死傷者を「やむを得ない犠牲」と見るのはまやかしに過ぎず、戦争の本質は人を殺すことだと正しく受け止める必要がある。日本国内の米軍基地から出撃する米軍機が多くの命を奪っている事実も忘れてはならない。本書はこの事実を明白に示す。2021/07/17