出版社内容情報
児玉誉志夫、萩原吉太郎、田中清玄、矢次一夫、安東仁兵衛など戦後の政治を陰であやつるフィクサーのすべてをあきらかにする対談。
目次
第1章 いまの政治の黒幕は誰か?
第2章 渡邉恒雄と戦後政治の危険な関係
第3章 堤清二と田中清玄―共産党員から黒幕へ
第4章 鹿内信隆と反共秘密組織
第5章 槇枝元文と、1人の反体制教師の来歴
第6章 朝堂院大覚と、反戦という立場
著者等紹介
田原総一朗[タハラソウイチロウ]
1934年、滋賀県彦根市生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、ジャーナリスト、評論家に。『朝まで生テレビ!』、『サンデープロジェクト』、『激論!クロスファイア』などの番組でテレビジャーナリズムの新たな領域を切り拓く
佐高信[サタカマコト]
1945年、山形県酒田市生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。高校教師、経済雑誌編集長を経て、現在、ジャーナリスト、評論家として活躍中。文筆によって、市民を主体とする権力への抵抗を探り続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hk
19
黒幕というものは時代が下ってから判明するものである。換言すれば、その時代に「あいつが黒幕だよね」と喝破される人物は黒幕として三下だ。 さて著者の2人は足元の日本に優れた黒幕がいなくなったと嘆いている。 だがそれはどうだろうか? 黒幕なんていないと思わせることこそ黒幕の神髄。だから目下の日本においては、黒幕が上手く立ち回っているといえるだろう。あくまで2人の老人の目には黒幕が見えないということからの帰納と演繹だがね。それにしても本書は聞きなれない固有名詞だらけだ。一般書ならば読み手が判るように書くべきだろう2019/07/31
templecity
7
政権争いをする中で、黒幕として様々な黒幕の名前が出て来るが、結局政治家が私利私欲ではなく、日本という国をどうしたいのかということだろう。それが国民にとって幸せなことであれば良いのではないかと思う。決して他国の利のために仕組みをおかしくしてはならない。松下幸之助や中内功が財界の代表になれなかったのは出目みたいなこともあるらしい。ナベツネや鹿内、瀬島龍三などなど様々な名前が出ていた。(続きあり)2019/04/29
どん
2
二人の対談を収録。政界、財界のことは余り知らないので、ポンポンと出てくる名前に面食らう場面も多い。最後の黒幕という言葉もあり、最近は昔ほどは黒幕がいないということなのだろう。実は日本国内ではなく他国なのかもしれない。 ささっと読めて、二人の目を通して暗躍する政治家やマスコミのトップの人物像や事件の裏側が見える。いろいろな人物が出てくる。2019/09/25
光太郎
1
とても軽い対談。戦後史を概観するのに良かった 2019/10/02
aki
0
いろいろ批判はするが、田原が大好きで、昔から田原の本は愛読していました。田原は基本的にリアリストなんだよね。出自は左翼系なんだけど、左派に特徴的な頭の硬さがない(天皇の戦争責任は一貫してるけど)。だから、佐高に「現実にまみれてやってきた田原さんならではの発想ですね。左派も含めて反米を強調する論者は『純粋まっすぐ君』が多い」(154頁)と褒められてるのか、貶されてるのか、よくわからんが、いわれるわけだ。いまも昔も日本の選択肢はアメリカ追従しかない。「自立」はアメリカを敵に回すということだ。そんな選択はない。2022/09/30