出版社内容情報
1974年連続企業爆破事件は何故起きたのか、そして作家たちは何故それを描いたのか…時代の実像を描く決定版。ブックガイド併録。
内容説明
爆弾闘争、内ゲバ、革命運動―あの時代の若者たちはなぜ過激な行動に向かったのか?政治と暴力と文学から考える。時代を知るためのブックガイド併録。
目次
1 何故、若者たちはいまでは考えられない行動をしたのか?
2 世界を変えるとは、どういうことか?
3 武器を持って闘いに向かった若者たち
4 東アジア反日武装戦線とは何者なのか?
INTERVIEW 大道寺将司君のこと(花田ひとし)
5 文学的想像力は何故、テロに惹かれるのか?
6 直接行動に触発された藝術家たち
BIOGRAPHY OF REVOLUTIONARIES 革命家烈伝
BOOK GUIDE この時代を知るためのブックガイド
著者等紹介
栗原康[クリハラヤスシ]
1979年生まれ。政治学。2017年、池田晶子記念「わたくし、つまりNobody賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小鈴
20
パラパラと。一ページでまとめた革命家列伝(15人)が面白かった。谷川雁を「日本のダークサイドの思想と運動はすべて谷川雁に発する」と。加藤三郎、今は岐阜で農家しているのか。ブックガイドで気になったのは森崎和江『闘いとエロス』。上野英信と谷川雁をモデルにしたノンフィクション風小説。組織内の加害者と強姦殺人や、わたしと指導者との愛とか面白そう。当時の運動には共鳴できないが、この前拝聴した内田樹の「学生運動していたあの頃、議会活動にシフトしていれば今とは違ったかもしれない」という言葉を思い出した。→2019/12/08
jahmatsu
17
薄いけど想像以上に濃かった。左側ド真ん中、まさに入門書。 シンプルに淡々と書かれていているが、かなり熱い書。巻末のブックガイドはこれからお世話になりそうです。2018/01/13
まんだよつお
8
物騒なタイトルに手にするのをためらう人もいるかもしれませんが、60年代末~70年代初めにかけての新左翼運動、全共闘運動の歴史をわかりやすく解説する入門書。全編を貫いているテーマは、岡林信康の「私たちの望むものは」。すなわち――「いまある幸せにとどまってはならない。なぜならその幸せは多くの民衆の不幸せを条件にしているからだ。それならまずおまえたちはすべてを捨てて「不幸せ」に向かって跳び立たねばならない」というメッセージ。この問いかけにこたえられるようもっともっと勉強していかなければと強く思った次第です。 2020/03/03
五月雨みどり
7
こういう、単純に括ったとしての「反日左翼的」なイデオロギーは、今の自分には親和性はないけども、かつてティーンネイジャーだった昭和の終わりくらいまでは、時代の空気としてこういうのを擁護するような感じは確かにあって(特に報道機関とか教育現場とか)自分も染まっていたし、物考えてる若者はこういう思想が当時多かった印象なのでそういうポーズのためにも憧れに似た何かがあったなと、そんなのを思い出しながら日本の現代史の勉強として読んだ。あれ、ホントに2017年発行?ヤバくない?って思うような、全共闘マンセー的な内容。2025/07/22
JunTHR
7
これは良い!栗原康監修とはいえど、期待されるような無茶な勢いはなく、10人以上の執筆者が分担して書いているためか、むしろ丁寧親切なガイドブックになっている。そして、それが良い。 あの時代を手っ取り早く知るためには有用だし、とはいえ書き手の熱は十分にこもっていて読み味もあるし、巻末のブックガイドはめちゃくちゃ便利。この項数に対して 1000円という値段は高いような感覚もあるが、読んでみれば不満は残らない。2017/08/28