出版社内容情報
ドゥルーズと精神分析の関係について本格的に論じた唯一の研究書として紹介が待ち望まれた名著をドゥルーズ紹介の第一人者が翻訳。
【著者紹介】
現役の臨床医にしてパリ第七大学で哲学を教える。本書が初の邦訳書となる。
内容説明
ドゥルーズは精神分析の同伴者なのか。ドゥルーズはフロイト/ラカンをどう受けとめたのか。その錯綜した関係を明快に論じながら、ドゥルーズ哲学の秘められた可能性に、精神分析の根本的立場から極限においてせまるドゥルーズ論の新たな古典。『差異と反復』の訳者による達意の翻訳
目次
1 臨床と哲学
2 マゾヒズム礼賛、快の概念に対する批判
3 反復の哲学
4 器官なき身体―精神分析に対する批判か、精神分析の放棄か
5 生成そして離接的総合
6 無限の哲学―概念を創造することは、「カオスを無限な速度で循環すること」
7 無限なき離接的総合―精神分析における転移
8 カントと否定的なもの
著者等紹介
財津理[ザイツオサム]
1947年生まれ。法政大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Z
8
はじめ、ドゥルーズの解説本かと思ったら、カントやスピノザなど、かなり本格的な議論が展開されており、手に終えなかった。いつかリベンジしたい。2018/11/30
トックン
2
メナールは精神分析家(症状を治す)の立場からドゥルーズを批判する。ドゥルーズは欲望を「存在欠如」(ラカン)とせず「欲望には何も欠如していない」と言い、否定性(治癒への手掛り)を素通りし、ラカンの<父>であるフロイトを「ヘーゲル的ポスト・カント主義」とすることで、不当に批判していることになるらしい。そして幸福に生きること(症状なく)をドゥルーズは喜びの情念の組織化とするが、これはフロイトの「欲動」を「努力conatus」とスピノザ的に読み違えた結果だとする。たしかに万人にG.D的「生成」の要求は困難かも。2017/05/20
rinrin
0
【BOOK(2015)-011】!!!!!!!2015/01/21