内容説明
はやくおしごとやめたいよ…。ツイッターで大人気!8万人がフォローするJAEA非公式キャラ・もんじゅ君のせつない物語。こどもからおとなまで原発のホントがわかる。
目次
第1章 はやくおしごとやめたいよ―ナトリウム漏れ事故のこと
第2章 高速増殖炉のしくみ―ふつうの原発とどうちがう?
第3章 「もんじゅ」のどこがあぶないの?―ナトリウム・核暴走・プルトニウム
第4章 世界の高速増殖炉のなかまたち―そして、みんないなくなった
第5章 どうして「もんじゅ」をあきらめないの?―原子力の歴史と核燃料サイクル計画
第6章 2050年もんじゅの夢―もしも廃炉になれてたら
著者等紹介
小林圭二[コバヤシケイジ]
元京都大学原子炉実験所講師。工学者。原子炉物理学の研究および原子炉の運転、維持、管理業務に従事する一方、所内で原子力利用の危険性について研究しつづけてきた原子力安全研究グループ、いわゆる「熊取六人衆」のひとりで、もんじゅ訴訟にも原告特別補佐人、証人としてかかわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りんご
28
「おしえて」よりはだいぶんたくさんの問題が関わっていることを教えてくれます。1960年代に計画が始まった頃には1980年代後半には実用化を目指し、2010年頃には2050年ごろ実用化を、と。これでもうダメな感じするよね。実用化したら使えるはずの核燃料ゴミ、処理を先送りするためにもやめられない、辺りの説明は分かりやすくて読めて良かったです。あともんじゅくん視点でのナトリウム漏れ事故の描写は、杜撰さに目も当てられない。ただし、これはこれで「作者の言いたいこと」な訳だから、鵜呑みにしちゃいかんけどね。2021/02/15
kanki
17
高速増殖炉もんじゅ君がわかりやすく説明してくれる。冷却材のNa、扱い難しい。暴走のリスクあり。2024/07/18
ゆにす
15
とてもよかったです!ひとりでも多くの人に読んでもらいたいです。恥ずかしいですが、「もんじゅ」のことは名前をニュースで聞くくらいで、ほとんど何も知らなかったのです。プルサーマルについても。><とても勉強になりましたし、読んでいてそのセンスの良さ、面白かったです。「原発フレンズ」「ふくいち君(福島第一原発)」「ぼくのパパ(JAEA)」などネーミングセンスが抜群にいいですね。もんじゅ君にそのセンスをどこかの政治家を指導してほしいものです。私も言うべきことをきちんと言える人になりたい。2012/07/16
東雲
9
福井の高速増殖炉『もんじゅ』を擬人化したJAEA非公式のゆるキャラ『もんじゅ君』。原発の始まりから現在「ポスト・フクシマ」までを、小学生にもわかるようにやさしくやさしく教えてくれる。特筆すべきはもんじゅ君そのもののキャラクター。ナトリウム漏れを「おしっこもれちゃった(。pдq)..痛くてしょうがないけど、誰も助けにこれないの。」というふうに無垢な子どものように語りかけてくる。ラストの2050年の未来の章では、原発が廃炉になった世界をそのあどけない口調で伝えてくるので、ボロボロ泣いた。たくさんの人がこの本を2012/04/11
hutaro
8
2年前くらいにもんじゅは廃炉が決定してるが、この本が発行されたときはまだもんじゅは諦められていなかった。そういうわけでもんじゅくん本人が早く廃炉になりたいよ…と訴えるスタンスで描かれている。高速増殖炉と軽水炉原発の違いがよく分かるし、実は高速増殖炉の方が古くから研究されていたことも分かった。誰が考えたか知らんけど、中性子を高速でpuにぶつけて役立たずのUをpuに変えちゃうとかいう発想すごい…天才か。まあ実現してないけど。今更だが、もんじゅに国費1日あたり5500万円使われてたことに衝撃。2018/08/02