内容説明
3.11から一年、何が終わり、何がはじまりつつあるのか、そして激動の世界の中で震災と原発は何をつきつけているのか。思想の課題を問い返すために。
目次
滅びと再生が始まる(石牟礼道子×藤原新也)
時おくれの情報と向き合って(中井久夫)
東日本大震災から何が変わったか考える(色川大吉)
脱原発の戦略とは何か―歴史的展望(関廣野)
ガルゲン・フモール?(合田正人)
「しがみつく者たち」に(酒井隆史)
壊乱的社会費用―尊厳、あるいは原発Ya Basta!(渋谷望)
負債資本主義時代における黙示録と踊る死者のコモンズ(マニュエル・ヤン)
移行対象としての「地震鯰」と「見せかけの現実的なもの」の世界(樫村愛子)
風景のメルトダウン―原発とドン・キホーテ(富田克也×相澤虎之助)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
21
色川大吉「東日本大震災から何が変わったか考える」(22頁~)。 自分史の先生によると、茫然と立ちすくむ、おのれの無力と罪障感と、居ながらの地獄とを経験(25頁)。 最初、わたくしが見たのは港のクルマが津波で持って行かれる映像。 そして、川を逆流する津波の映像であった。 自己チュー、自分中心のモノの見方に変更を迫ったのは、3・11そのものであったと感じる人も多かったのだろう(29頁)。 被災者にかけることばとして、「がんばってください」がある。しかし、「何をどうがんばるんです」?(30頁) 2014/03/17
HIRO1970
7
☆★☆学者さんのお話の多くは難解過ぎて何を言っているのかよくわからないものが多かったです。藤原新也さんが載っていたので読んでみました。各方面の専門家の方々も今回の件で自分の存在意義を改めて考え直す機会となったようです。2014/01/13
林克也
4
大震災発生から1年後に発行されたこの本を、その発生後2年半の時点、2013年9月11日~13日で読んだ。この本の各執筆者が書いた内容には、濃淡はあれど、この事象を、契機・変節点として、民衆が目覚めることで、今後は変わっていく、変われるんだという”希望”と”決意”を読みとることができた。しかし、現実は、この世の中を支配しているものに抗がい、その一角に食い込み、成果を挙げるどころか、それらによる一方的な抑圧と抹殺に組み強いられ、地球は確実に崩壊に向かってる。いったい何をどうしたらいいのか・・・。2013/09/14
瀧本往人
1
まだ1年もたたない時点で「歴史としての3.11」を問う、というのは、なかなか無謀な企画であるだろう。書き手によってもいろいろな切り口で展開しており、なかなか焦点が定まらない。しかも原発事故のことについては、どれだけの書き手が本気で理解しているのか、はなはだ不安になってくる。http://ameblo.jp/ohjing/entry-11507480096.html2013/04/16
かみのけモツレク
0
おじいさんとんちんかん2014/09/15