内容説明
若者の焼身自殺から火の手は上がった。独レマルク平和賞受賞。
目次
ムバラクの頭のなか
ベン・アリの頭のなか
反抗?革命?
チュニジア
エジプト
アルジェリア
イエメン
モロッコ
リビア
結
著者等紹介
ベン=ジェルーン,タハール[ベンジェルーン,タハール][Ben Jelloun,Tahar]
1944年、北アフリカ・モロッコのフェズ生まれ。厳格なイスラーム教徒の父に育てられるが、若くして渡仏。現代フランス語マグレブ文学を代表する作家。1987年、代表作『砂の子ども』(85)の続篇『聖なる夜』で仏ゴンクール賞受賞。『アラブの春は終わらない』で、独レマルク平和賞受賞
齋藤可津子[サイトウカツコ]
1974年福島県生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hideto-S@仮想書店 月舟書房
117
2010年からアラブ諸国で民族蜂起が相次ぎ、いくつかの独裁政権が打倒された。その推進力となったのはFacebookを始めとするSNSによるネットワークであった事が知られているが、それと共に『アラブ知識人の沈黙』を批判する声が上がったという。約半世紀にわたり非人間的な独裁政治を許してきた責任の一端は知識層にあるという主張である。この本はこうした声に反論すると共に、アラブ世界の最近の動きを物語風に描いたもの。短い本だが知識の不足を痛感した。訳者の解説も非常に学ぶところが多かった。ドイツ・レマルク平和賞受賞作。2016/05/03
Willie the Wildcat
18
『人間としての尊厳』。政治制度、宗教、文化などの違い以前だと思う。同じ人間だもの・・・。ただし、その道のりは長い。生命の尊さだけは尊重できないものだろうか。やるせないのは各国の思惑に振り回される人々。関連先進国も猛省すべき点があるはず。同じ苦しみを生むことのないよう、人間の英知を傾けて欲しい。それにしても、歴史・文化などの知識を深める必要性を痛感。(汗)2012/09/10
Kesera
2
★★★☆☆モロッコ人在フランス文学作家の、今年アラブ圏で起きた大きな民主化運動についてのエッセイ。著作が好きだったので彼自身はこの運動をどう見ているのか興味があって手に取った。独裁政権下で50年近くも石油という蜜の下で世界から見放され、アラブの人々が苦汁を舐めてきたことが静かな筆致で描かれていた。「アラブなんて世界の裏側」意識で、石油の恩恵を受けてきたことに身がつまされる。この「火花」が消えずに燃え盛り、時間はかかっても真に豊かなアラブ世界が蘇って、日本人にとっても身近な存在の国々になればいいと願う。2011/12/28
瀬希瑞 世季子
1
死の可視性が重要だと思った「黙って野たれ死ぬな」2022/08/20
frigo
0
傍観できない2013/05/08
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- 和書
- ぼくとフキゲンな怪獣と