内容説明
沖縄特攻「矢矧」艦長が見た連合艦隊の栄光と終焉。アメリカ、フランス、イタリアで翻訳されベストセラーとなった名戦記が待望の復刊。
目次
緒戦(山本連合艦隊司令長官の決意;スラバヤ沖の血戦 ほか)
ソロモンの血闘(凄惨なガダルカナル島沖血戦;機動部隊の格闘 ほか)
あえぐ日本(高松宮に必勝の秘策を献ず;涙ぐましい川棚特攻隊の訓練 ほか)
連合艦隊の最後(沖縄突入作戦;出撃前夜の死別の乾盃 ほか)
終戦(原爆二号投下さる;昨日の敵はきょうの友)
著者等紹介
原為一[ハラタメイチ]
1900(明治33)年10月16日、香川県高松市に生まれる。高松中学卒業後、海軍兵学校49期生。1922(大正11)年12月、少尉任官。1940(昭和15)年、駆逐艦天津風艦長。1942年(昭和17)年12月、大佐進級。1942(昭和17)年時雨、白露、有明、夕暮など駆逐隊司令。1944(昭和19)年、巡洋艦矢矧艦長。1945(昭和20)年、沖縄特攻作戦参加。1980(昭和55)年10月10日、没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nizi
6
矢矧の艦長だった原為一の回顧録。館内の出来事や戦闘シーンなどはさすがの臨場感。ただ、ありがちな話だが戦果などは相当の誤認があり、たとえば43年11/2のラバウル空襲では米軍機100機以上を撃墜したと書いている(実際は20弱)。書かれたのが1955年であり、米側の記録と照らし合わせることもできなかったのだろう。2024/12/18
あわゆき
1
まず驚いたのが読み物として成立していたことでした。実話の回顧録のような感覚だったのですが、実際読んでみると当時の空気のひと欠片に指先だけでも触れたような気持ちにさせられました。日本が敗戦に向かう流れ、それを早々と予感しつつもそれでも戦い続ける筆者の感情が込められている一冊だと思います。途中の「平和に発展していく道はないものだろうか。少なくも戦争に傾注するだけの決死的労力と資材を投入して」という一文は沁みるものがありました。今というまだ戦争が消えない時代に投げ掛けられたものでもあるな、って感じました。2014/07/03
ひろただでござる
0
戦争を戦い生き抜いた者しか言えない事。只々頭を垂れることしかできない。2014/10/31
うなぎん
0
この本は、素晴らしい。戦争のことだけではなく、いろいろなことを考えさせる。2014/08/01
まいご
0
主観故の曲筆を考慮しても臨場感と生々しさは格別。神の視点で俯瞰出来ないノンフィクションだから情報の少なさに窮屈さと不安を感じ、その状況で判断を下さねばならない現実の厳しさが伝わる。最前線という現場の責任者が、自分達と上層部、そしてあの戦争をどう捉えていたのかの証言でもある。2018/07/11