内容説明
ドゥルーズ的問いを極限まで加速させる思考の擾乱。
目次
ドゥルーズ追悼(1)「もうじゅうぶんだ」
ドゥルーズ追悼(2)ひたすら「砂のようなもの」に…
ドゥルーズ追悼(3)エンペドクレスのサンダル
老いの言葉(1)「…言うまでもなく…」
老いの言葉(2)廃墟の書物
老いの言葉(3)素朴な書物
老いの言葉(4)「老い」の書物
老いの言葉(5)アルチュセールの言葉から
老いの言葉(6)葉叢とサングラス
老いの言葉(7)吃音の穴〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
耳クソ
16
「造成居住区の午後へ」が素晴らしい。前世紀末に、安部公房以後に、そして小説以外にこういう文章が書かれていたとは知らなかった。2021/11/16
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2
「エノンセは如何なる意味でもそれを取り囲む言説を、その真理性を支える特権的な「断言」の自足でも或いはその偽装ですらもなく、むしろ、何ものかを指し示そうとする文字、それを書き記すペンの軌みよりもさらに希薄な私質的異物のようなものであるだろう。分析や解釈を拒絶する物質性……或いは分析の余地も解釈の余地もない直接的な物質性……だからエノンセはドゥルーズが言うように「ほとんど詩」のようなものであるだろうが、それ以下のもの、詩以上にさらに希薄で貧しいものであるだろう……。」(186ページ)2022/03/21
モンテカルロスの扉
1
最初から最後まで読み終えたけれど、たぶん半分も理解できていないと思う。「よく出来てるなー」とか「おおそうかーおお……」という呻きが時おり起こるのを楽しむために読んだ、というのが最も近いかもしれない。他を寄せつけない美しさと緻密さと繊細さと。素晴らしかった。2016/04/06
uchiyama
0
「慎ましさにおける絶対的唯物論」。 「挫折を感傷的支えにして生を閉塞し憫笑しようとする恨みがましさ」から離れて、「崩壊の過程としての生を肯定する」こと。その上で、前者を攻撃し後者を称揚する、不要に大袈裟でヒステリックなリズムからも離れるための、三点リーダーに思えました。2021/01/31