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謎解き般若心経

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309230917
  • NDC分類 183.2
  • Cコード C0015

出版社内容情報

「色即是空」の文法的誤り等、今や地に堕ちた経典といわれる般若心経。たった262文字に空思想とマントラを胎む、驚異の力に迫る!

【著者紹介】
1953年東京都生まれ。大学生の頃より仏教に傾倒し、独学でパーリ語やサンスクリット語を習得する。主な著書に『はじまりのブッダ――初期仏教入門』『ゼロの楽園――村上春樹と仏教』『上海バビロン』など。

内容説明

ブッダの教えに発する仏教は、誕生以来二五〇〇年の歴史の間に二度の大きな「革新」をもった。一度目は、小乗仏教に対する大乗仏教による革新。二度目は、大乗仏教に対する密教による革新。『般若心経』が作成されたのはほぼ四世紀頃、この二つの「革新」のちょうど中間の時期にあたっていた。その結果、『般若心経』は、前者の革新と後者の革新の予兆を経典の内容として盛りこむ“稀有な経典”になったのだ。最新研究により“地に堕ちた経典”とされた262文字の真実。

目次

第1章 地に堕ちた経典
第2章 般若心経の全文
第3章 般若心経、徹底解読
第4章 二百六十二文字の「言霊思想」
第5章 般若心経vs「すべてはある」派
第6章 般若心経の真実

著者等紹介

平野純[ヒラノジュン]
1953年東京都生まれ。1982年「日曜日には愛の胡瓜を」で第19回文藝賞を受賞。大学生の頃より仏教に傾倒し、独学でパーリ語やサンスクリット語を習得する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

失速男

3
日本仏教の黒船スマナサーラ師の真っ当な疑問や、研究者からの指摘により撃沈、学問的に価値が暴落した般若心経について、成立の背景などから丁寧に解説し、擁護した本。 私は般若心経はダイジェスト版だから、これだけで全て理解できないのは当然、不明瞭さが残っても当然、こういった解説書を読むのが当然と思う。多くの人を仏教書へと導いたものではないか。ちょうどいい長さでちょっと高級そうに見えるマントラっていう感じでもいいのではないか。2017/06/07

kawa

3
上質なミステリーを読んだような充実した読後感。著者によれば、般若心経が学術の世界ではダメ経典として評価が暴落しているそうだ。本書は主として、般若心経に厳しい意見を持つスリランカ仏教の長老の意見に対する型で、ブッタ以来の仏教史や、それ以前のバラモン、ヒンズー教を紐解きながら理論的な反論を試みる。その上で、般若心経の密教的なマントラ(呪文)性に注目し、その無常性が、日本人のメンタリティーに共感をよぶとする。玄侑宗久氏も分別知から離れる方法として、般若心経の暗記と唱題を勧めていた。納得。2015/07/27

乱読家 護る会支持!

3
色即是空、是空色即。日本人から親しまれ、物理をかじった者からは量子レベルでの真理が解かれているなどと、リスペクトされている般若心経。しかし、最近の仏教研究者からは価値の大暴落が起こっているらしい。理由は、「決め文句を貼り付けただけのパッチワーク的代物」「文法的に間違えている箇所が多く」「大乗仏教よりは密教色が強い、マントラを念ずるための単純な手引書」らしいです。。。知らんけど、、、いや、わからんけど。。。(; ̄ェ ̄)2015/05/09

湯一郎(ゆいちろ)

2
般若心経がこんなにいろんな解釈のできるものだったとは。そしてこんなにたくさんの批判に晒されてきたとは。法事のたびに訳も分からず唱えていたものの意味を知ってなんとなくすっきり。わからないものをありがたがる風潮ってのも日本人ぽいよなーとか思う。日本は辺境だよね。密教や浄土教が一神教の世界観に近いというのも面白い。時代時代で「ウケる」宗教の姿も違ったってことだろうね。初期仏教についてもう少し知りたくなる。2015/07/01

俊介

0
とても平易な文章で読みやすかった。しかもある程度深く掘り下げてあって、内容的にも充実したものだと思う。そういえば社会学者の橋爪大三郎と大澤真幸が帯文を書いていた。仏教専門家からは、「ダメ経典」の烙印を押されたらしい般若心経が、なぜこれほど一般的に人気があるのか、これは社会学としてみても興味深いことなんだろう。本書はそんな問題意識で、その謎を解いていくのだが、結論としてはそんなに意表をつくものではない。ただ、ウパニシャッドと般若心経の共通点とか、マントラの捉え方とかその辺の知見はすごく面白かった。2019/01/08

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