内容説明
本書は数多い公案の中から、よく知られている五十則を集めて解説を加えたものである。私たちがかかえている数々の問題に引きつけながら、できるだけ分かりやすいように解釈を試みた。
目次
我れ独り尊し―世尊独尊
以心伝心の法門―迦葉刹竿
星を見て悟る―世尊見星
迷いを取り払う―趙州勘婆
牛の尻尾の意味―牛過窓櫺
食事を作る喜び―金牛飯桶
絶体絶命を乗り越える―香厳上樹
現象の本質をつかむ―庭前柏樹
観念より体験を―禾山解打鼓
日々これ好日―雲門日日好日〔ほか〕
著者等紹介
武田鏡村[タケダキョウソン]
作家、日本歴史宗教研究所所長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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テツ
2
中学生のときに三島由紀夫の『金閣寺』を読み、作中に登場する有名な公案「南泉斬猫」を知ってからぼんやりと興味を持ちつつ現在に至る禅。禅宗の教えからしたら公案集などという物を読みながら考えを巡らせて正解らしい正解を探すなどということは大変けしからんのだろうと重々承知しながらも面白くて止まらない。柔軟に思考すること。凝り固まらず自分の中で自分自身が自由であること。二元論だけでは到達できない境地が見つかる気分になる。2014/06/12
ZEPPELIN
2
最近読んでる本にやたらと公案が出てくるので、手始めに。いわゆる禅問答。有名なところでは「隻手音声」のように、一見すると意味不明な問題が登場する。そこですぐに模範回答を求めずに自分の頭で考え抜くことが大事なのだけれど、これがまた難しい。片手の音って何じゃ〜。凡人としてはすぐに二元論で考えてしまったり、常識を引っ張ってきたりしてしまうけれど、重要なのは柔軟に思考すること。初心者用の本なのに、頭の固さを痛感させられる。これを機に、禅の世界にも足を突っ込んでみたい2014/02/17
medaka
2
本作の前に読了した三島由紀夫著『金閣寺』に出てきた公案・南泉斬猫に興味を持ち、手に取りました。この系統の本に手を出すのは初めてだったんですが、とても興味深かったです。『禅』に難しいイメージを持っていた自分にはピッタリでした。趙州勘婆、鳥臼屈棒、馬祖野鴨、隻手音声、世尊見星、仰山遊山、非風非幡が好きです。好きってのもおかしい気がしますが。2009/11/08
樹燐
1
京極夏彦の「鉄鼠の檻」の影響で読んでみました。ちょっと違った世界観を持てるかもしれません。 2010/11/14
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