内容説明
文字によらない伝承文化、口頭伝承を音、声、図像、身体性、場といった諸科学の根底に関わる要素から詳細に分析し、壮大な理論的構築をはかる、人類学的思惟の結節点を示す記念碑的労作。
目次
発話における反復と変差―「かたり」の生理学のための覚え書き
はなしの演戯性
語り手と語りの場―西アフリカの事例から
音の紋章―無文字社会における権力とコミュニケーション
呼びかける歴史、物語る歴史―無文字社会における口承史の形成
口承史と過去への想像力
叙事詩と年代記―語られるものと書かれるもの
説話の異文化間比較―叙事詩をめぐって
無文字社会における歴史の表象―西アフリカ・モシ王国とベニン王国の事例