内容説明
ようこそ『遠野物語』の世界へ!民話のふるさと「遠野」を読み解く。「怪異」「妖怪」「呪術」「民俗行事」…なぜ、遠野は怪異が多いのか?柳田國男生誕150年。遠野市立博物館、大好評特別展が待望の書籍化!!
目次
序章 遠野って、どんなところ?
第1章 遠野物語誕生前夜
第2章 遠野物語と怪異
第3章 遠野物語と妖怪
第4章 遠野の呪術の世界
第5章 なぜ、遠野は怪異が多いのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
43
新刊コーナーより。岩手が好きで遠野や早池峰によく行きましたが、最近はもっぱらフォローしている遠野市立博物館のSNSを楽しむだけだったので、この本を地元で見て嬉しくなりました。23年にこの博物館が企画した「遠野物語と呪術」展は大きな話題になり、この本はその展示を受けて作られたものです。豊富な資料がフルカラーで紹介されていて満喫させてもらいましたが、もう少し大きい本だったらもっと嬉しかったかな…。2024/12/25
鷺@みんさー
29
ビジュアル豊富で、語られた当時の雰囲気もよくわかり、オシラサマ等様々な信仰、怪異、呪物の写真がこれでもか!と載っている豪華な本。2025/03/25
鯖
28
ツイッター(not X)で陸前高田市立博物館でのオシラ様展示…、おそなえツイートにノックアウトされていたので手に取った本。養蚕の神様だから桑の木がご本体なんだね。元の遠野物語に収録されているお話はいやかわいそうだけど、父ちゃんもかわいそうだよね、娘と馬のそんなシーン見ちゃったらと思っちゃう方…。オシラ様だけでなく春風まつりや二百十日雨風祭りなど藁人形を用いた独特の風習も載っていて、どのページ開いても面白かった。柳田国男の全集も制覇したいとは思ってるんですけど。ぐぬぬ。2025/02/13
スリカータ
14
コンパクトながら、資料や写真が盛りだくさん。オールカラーの贅沢な作り。個人的に河童に興味があった。以前、東北のとある博物館で河童と鬼と人魚のミイラを観た。不気味だが、よく見ると魚や動物を継ぎ合わせて作られているような気もした。本書にも河童のミイラの写真がある。干からびた鰹節のような昆布のような…。河童の絵画も多彩で、限りなく亀に近いものから妖怪のようなもの、女性のような乳があるものも。雪深い隔世の地のお愉しみか。神秘的だ。2025/03/31
月音
13
遠野市立博物館監修による『遠野物語』に関するいくつかの特別展図録から、怪異・妖怪・呪術の項を再編成したもの。図版が多く、舞台となった場所の写真、絵図、呪符、神像など、『遠野』のイメージがつかみやすくなる。他の文献資料も入れた河童淵の全スポット紹介なんて労作も。個人的には、トイレに祀るにはためらう可愛さのトイレの神様、発掘品のたそがれてる「たそがれ土偶」がツボ。「遠野ヨメ日記」の“田植えで手首がはれて痛い”“飢饉の非常食にワラビの粉”という描写がリアルで印象に残る。⇒続2025/02/04
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