出版社内容情報
冷戦下、東南アジアおよび南米諸国で続発した共産主義者大虐殺。その背後にあったCIAの作戦をめぐる、衝撃のドキュメント。
内容説明
1965年、インドネシア大虐殺。冷戦下に起きたこの事件の裏には、のちに第三世界の各地で展開された、米国政府のおそるべき共産主義者「絶滅」作戦があった。最新研究と取材によって明かされる、衝撃の歴史ドキュメント。
目次
あらたなアメリカの時代
独立インドネシア
目に物見せる―アンボン空爆
進歩のための同盟
ブラジルとその過去
九・三〇事件
大虐殺
世界のあらゆる場所で
ジャカルタが来る
北へ、北へ
俺たちはチャンピオン
彼らはいまどこに? そして私たちは?
著者等紹介
ベヴィンス,ヴィンセント[ベヴィンス,ヴィンセント] [Bevins,Vincent]
1984年、アメリカ・カリフォルニア生まれ。ジャーナリスト、著述家。2011年から16年までロサンゼルス・タイムズ紙の特派員として南米地域を担当。その後ワシントン・ポスト紙で東南アジアを取材し、1965年にインドネシアで起きた大虐殺が現代に与える影響に特別な関心を寄せる。ロレンツォ・ナタリ・メディア賞ほか、ジャーナリストとして複数の賞を受賞
竹田円[タケダマドカ]
翻訳家。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。スラヴ文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
19
第二次大戦を境に新しい国家が生まれるはずだったのにそうならなかったのはやはり大国の意向が働いていたから。今はまだはっきり大国の意向が見えている形なのか。2022/10/09
はまななゆみ
6
当時の冷戦の構図の認識が根底から覆されました。現在の様々な問題にも結びついているかもしれません。2022/09/19
大塚みなみ
5
「世界をつくりかえた虐殺作戦」という副題が示す通り、いままで無自覚だった自らの世界観が揺さぶられる作品。反共産主義の題目のもと、インドネシアやブラジルなど「第三世界」諸国で実行された虐殺と失踪作戦の実態が網羅的に記述されている。歴史書として鳥瞰的な展望も得られるが、著者の粘り強い聞き取りによって、当事者たちの姿が立体的に描き出されているのが秀逸な点だ。そのおかげで、知らない土地で過去に起こった出来事として他人事的な認識にとどまらず、ごく普通の人たちの上に降り掛かった事件として共感せざるを得なくなるのだ。2022/07/19
takao
3
・インドネシア大虐殺の裏にCIAの共産主義者是絶滅プログラムが2022/12/24
koba23
1
この本を読むとアメリカが世界から嫌われているというのも良くわかる。日本も第二次大戦後はアメリカの箱庭の中で生活しているので、どうしてもアメリカ寄りになりがちだが、箱庭の外から見るとウクライナ戦争や中国との関係なども違う見え方がするに違いない、と思わせた本でした。2023/03/03