出版社内容情報
中国政府によるウイグル人への抑圧が国際的な非難を浴びている。強制収容所で2年半を生き延びた女性がその実態を克明に明かす。
内容説明
中国はウイグル人を消滅させようとしている!―長時間の取り調べ、拷問、暴行、監視、洗脳、不妊注射…無実の罪を着せられ、個性を奪われ、時間の感覚を奪われ、記憶と生きる意欲を奪われ、死刑の恐怖におびえる日々。ウイグルで何が起こっているのか?私が体験した恐るべき収容所のすべて!
著者等紹介
ハイティワジ,グルバハール[ハイティワジ,グルバハール] [Haitiwaji,Gulbahar]
1966年、中国の新疆ウイグル自治区グルジャ生まれ。ウルムチ石油大学在学中に知り合った男性と結婚。単身でフランスに政治亡命した夫のあとを追う形で、娘ふたりとともにパリ西郊に移り住むが、2016年に帰国を促す電話により、ウイグルに帰る。その後すぐに留置場、そして再教育収容所に送られる。強要された嘘の自白と陳述により2019年に完全に解放された
モルガ,ロゼン[モルガ,ロゼン] [Morgat,Rozen]
フランス人ジャーナリスト
岩澤雅利[イワサワマサトシ]
翻訳家。東京外国語大学ロマンス系言語専攻、修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
71
「重要証人: ウイグルの強制収容所を逃れて」を後から読んだ。具体的に書かれていてそのやり口に憤りを感じた。ウイグルというウイグル人の土地を侵略し続ける中国政府、世界の企業の多くが中国の生産コストに率いられて中国をこんなにも独裁を許してきた責任も大きいと感じた。今、世界中の企業がリスクに気づきはじめて撤退することも増えて来たようだ。同じ民族でも天安門事件や香港のように政府が銃を民衆に向ける国だから、多民族には無慈悲なことは言うまでもない。2024/09/28
きみたけ
61
年末に「重要証人:ウイグルの強制収容所を逃れて」を読んで、ウイグル問題についてさらに勉強しようとのねらいです。前著同様、中国共産党によるウイグル人への過酷な扱いはもう言葉に出来ません。「再教育収容所」と呼ばれる強制収容所施設での虐待、拷問、強制不妊注射などの人権侵害は国連機関によりただちに止めてほしいと思いました。今後中国が日本の領土をじわじわと侵食した場合、ウイグルのように日本人を「民族浄化」していくと思うと身震いします。。2022/08/16
読特
34
ネットの注文で届いた商品。[Made In China]の札に恐怖を感じる。…「足首の鎖をベッドの格子につなぐ」「蛍光灯のあかりの下、服を脱がされ前かがみにされる」「強制されたワクチン接種。その後生理が来ない」「拷問される我が子の声で自白調書にサインさせる」…蛮行を止められない西側諸国。圧倒的な国力の前に対抗手段がない。勝利したはずの冷戦。自由貿易信仰が自爆を招く。安さと需要を求めた結果、育んだのは共産国。専制経済大国の登場。気づけば、自国の生産力が棄損している。他人事ではない。我々は生き残れるのだろうか2022/08/20
スー
20
42怒りと嫌悪しか湧いてこない。中国共産党はこの世から消すべきだこの国が存続し続ければそれだけ人類の恥となり続けるだろう。習近平を始めこのジェノサイドに加担した連中はこの行いの報いを受けなければならない、死よりも苦しく長く業火に焼かれ続けろ!2022/05/21
ジャズクラ本
17
◎夫のフランス亡命に伴った女性が新疆ウイグル自治区に呼び戻され刑務所と再教育収容所で送った二年間の回想録。自身の祖国の文化や言語を抑圧され、助けようと奔走してくれる家族を信じることのできない国家のために裏切る苦しみ。考え得るありとあらゆる苦しみを強要するこの世界はジョージ・オーウェルの「1984年」を想像して頂ければ手っ取り早い。しかし本書は実話である。本書の出版は娘であるグルフマールさんの奔走に負うところが大きいと訳者あとがきにある。母を想う人間本来の愛の力は、ゆがんだ国家の暴力などに屈するはずがない。2021/12/06