出版社内容情報
新選組は浪士殺害より、一層多くの隊士を粛清したことはあまり知られていない。四十余名の隊士粛清を追、組の本質と実態に迫る。
内容説明
寄せ集め集団・新選組が組織として存在するには、苛烈な内部粛清を必要としたのか。散っていった四十余人の姿と処分の実際を、史料に基づき追い、組が奉じた武士道とは何だったのかを浮き彫りにする。書き下ろし。
目次
第1章 隊規以前の混沌と粛清(殿内義雄―粛清第一号の野望;家里次郎―四面楚歌、名家出の創設者 ほか)
第2章 脱走者追討の掟(加納惣三郎―前髪の美剣士は実在したか?;松山幾之介―故郷で待っていたもの ほか)
第3章 四箇条の禁令(石川三郎―鉄の四箇条禁令、最初の犠牲者;瀬山多喜人―町家の女性と密通、石川とともに処断 ほか)
第4章 新選組と御陵衛士との規約(田中寅蔵―萩も咲け咲け…惜しまれた離脱;矢口健一郎―遥かなる御陵衛士 ほか)
著者等紹介
伊東成郎[イトウセイロウ]
1957年、東京生まれ。新選組研究家。明治大学文学部史学地理学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えみ
39
幕末の世、名立たる剣豪たちが綺羅星の如く集まり、鮮血に染まった大輪の花を咲かせた組織。それが新選組。彼らの存在に惹かれて数多の研究者が、膨大な時間をかけて夥しい史料の研究を進め、現代に在りし日の新選組の姿を伝えてくれている。本書も又史実に基づき、掟、禁令、規約等違反者に対する苛烈極めた内部粛清に視点をおき、そこから見えてくる彼らの目指した武士としての組織、その実態に迫っている。粛清に関する参考文献、原史資料が数多く記載されていて、とにかく萌える。粛清は新選組の夢の実現。その手段の一つだったと確信している!2020/09/07
金吾
22
新選組が如何に凄まじい組織であったかを感じさせられました。初めて知る隊士も多く、その点において貴重な本だなと思いました。2024/08/26
スプリント
6
芹沢鴨や山南敬助、武田観柳斎などの有名どころから無名隊士まで新選組に加わり粛清された隊士の記録です。2020/11/15
田中峰和
5
紹介される人数は44人だが、名もなき粛清の被害者はもっと多いはず。のべ300人以上いた隊士だが、15%程度も殺害されているのは暴力団以上。関東に落ち延びた後も永倉新八などに部下でいることを強要するのだから、近藤の権力欲は相当なもの。芹沢鴨や伊藤甲子太郎との権力争いから生じた粛清の被害者が多すぎる。さらに殺害数を増やした要因は、土方の猜疑心と残虐性。近藤の遠征中に気に入らない隊士を次々粛清していった。時代順に並べられた粛清被害者の名前。彼らの出生から入隊の経緯、殺害まで網羅すれば新選組の歴史がわかる。2021/09/19
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