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出版社内容情報
被差別の問題意識と密接な領域で研究を開始した折口学を、体験的な思い出を含め始めてその領域で集成。解説=安藤礼二。
目次
1 語り部と漂泊芸能(初春のまれびと;巡遊伶人の生活;賎民の文学;唱道文学―序説として;信太妻の話)
2 信仰と特殊技能(偶人信仰の民俗化並びに伝説化せる道;木地屋のはなし;鬼と山人と;巫女と遊女と)
3 ふるさとと海やまのあいだ(毎月帖―九月二日、三日、四日;零時日記(2)
海道の砂 その一)
著者等紹介
折口信夫[オリクチシノブ]
1887年、大阪府木津村生まれ。国文学者、民俗学者、歌人、詩人。歌人としての名は「釈迢空」。天王寺中学卒業後、國學院大学に進み、国学者三矢重松に深い恩顧を受ける。國學院大学教授を経て、慶應義塾大学教授となり、終生教壇に立った。古代研究をテーマに、国文学、民俗学の域に捉われることなく、広く学問研究と表現活動を続けた。1953年逝去。没後、全集にまとめられた功績により日本芸術院恩賜賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イトノコ
29
図書館本。民俗学にちょっと興味があって…程度で手を出してはいけなかったかも。もともと一冊の本として系統だって書かれたものではなく、いろいろな文章を抜粋してまとめた本なので分かりづらいのは仕方なしだが。半分も理解できなかった。とりあえず、伝承や習俗というのは、貴賎、主客、因果が時間と共に入れ替わったりするようだ。ってそれってなんでもあり?実際に研究するのは本当に難しそうだな。2021/01/16
tama
11
図書館本 芸能民に興味あって 恥ずかしながら釈迢空と同一人ってこの本で知った。科学じゃなかった。時代のせいなのか、データがこうだからというところが少なくて腑に落ちない。しかし、この本は著者の文をそのまま載せているためひどく読み難い(3日後には馴れてしまったけど)。現代語訳して欲しかったなぁ。後半に出てくる日記・エッセイは書名と関係ないし、あいつが嫌いだ、ヘタなくせにしゃしゃり出やがってという内容で、あれまあ、な本でした。凄い人でも、分類「駄」2018/12/09
田中峰和
9
折口は差別を受けていた人々のごく近くで青年期まで暮らしていた。その記憶、体験を生涯忘れさせない強烈な印象が残っていたのだろうか。だがここで取り上げられるのは、被差別部落の話ではない。マレビトやヨリシロという独創的概念を想定し、日常的な差別ではなく、神話的な差別の時空を生きていた。そして折口は、民俗学を確立した柳田國男が論じた「憑依」を引き継ぐ形で自らの民俗学を展開。芸能民の起源を問うとともに、権力の起源呪術王の天皇の起源を問う。憑依が宗教化された神道と、芸術化された芸能の研究は彼の研究を独自のものにした。2017/10/30
naolog
8
図書館にて。前半は非人の話題からの旅する人々、そこから話を運んでいくだの何だの。"おに"は隠でも陰でもなくて、鬼は"もの"と訓じていて…。終盤は何の話だったかいなとなる研究書だった。2023/09/22
ダージリン
7
前々から読みたいと思っていながら、折口信夫はなかなか読めていない。とりあえずこの本を読んではみたが、結構つまみ食い的なまとめ方という印象。流石にこれだけでは何とも良く分からないので、今後しっかり腰を据えて折口氏の著作を読んでみたい。芸能・芸能民については特に興味を惹かれている。2019/09/01