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辺境のフォークロア―ポスト・コロニアル時代の自然の思考

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  • サイズ B6判/ページ数 213p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309226194
  • NDC分類 380.4
  • Cコード C0039

出版社内容情報

サハリンから南洋へ。太平洋の島弧の文化的な連続性をとらえるために、辺境へ。反侵略の「ポスト民俗学」の実践。

【著者紹介】
1974年生まれ。慶應義塾大学卒。映像作家、民族誌家、批評家。『ぬばたまの宇宙の闇に』(奈良前衛映画祭グランプリ)、「批評の奪還」(映画芸術評論賞佳作)「弧状の島々」(三田文学評論部門新人賞)など。

内容説明

一国民俗学の彼方へ。サハリンから南洋へ。太平洋の島弧の文化的な連続性をとらえるために、異なる言語や文化が接触する辺境へまで広がる、「ポスト民俗学」時代のエスノグラフィー。

目次

第1章 琉球・奄美考(アレクサンドル・ソクーロフと奄美群島;ニコライ・ネフスキーと宮古島;天皇裕仁と折口信夫の「若水の話」;ソクーロフいよる島尾ミホ)
第2章 樺太・蝦夷・東北考(サハリン半島の年代記―一二九八年‐一七三〇年;チェーホフのサハリン島―一八九〇年;シュテルンベルクとニヴフ族―一八八九年‐一八九七年;ネフスキーのアイヌ・フォークロア―一九〇六年、一九一九年‐一九二六年;ネフスキーと東北のオシラ様―一九一〇年‐一九二二年;オロッコ/ウィルタ族の悲劇―一九二六年‐一九五五年)
第3章 ボニン=小笠原考―混淆する南洋の入り口(小笠原―ジャック・ロンドンと瀬川清子;小笠原―北原白秋のカナカ人)
第4章 マリアナ・南洋考(マリアナ群島―鈴木経勲の南進論;松岡静雄―ミクロネシアの民族誌;サテワヌ島―土方久功とカナカ族)

著者等紹介

金子遊[カネコユウ]
1974年、埼玉県生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。現在、同学部非常勤講師。映像作家・民族誌学。「批評の奪還 松田政男論」で映画芸術評論賞・佳作、「弧状の島々ソクーロフとネフスキー」で三田文学新人賞(評論部門)受賞。ドキュメンタリーマガジン「neoneo」編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mittsko

4
面白かった…(*´ω`*) 重厚だけど流れの良い文体 ※ 映像作家の金子さんによる評論集。詩人、人類学者、編集者などのアートネットワークのなかで培われた言葉がめぐりめぐるのは、一言でいえば「文化」だろう。「自然」でも「政治」でもないものとしての「文化」… とくに「歴史」と「経済」「軍事」に圧殺されていくがままの小さき者たちの「文化」… 日本本州から南西へ、北へ、南へ、そしてその先の大洋へとつながりひろがる、「野蛮人」たちが数万年、数千年のあいだ海と陸とで生き続けてきた「文化」…2021/03/15

Junko Yamamoto

4
マージナルな場所、辺境だから多様な人が接する土地。2015/06/20

Masako3

3
★★☆ 映像作家による日本近郊の諸島の植民地時代前後からのドキュメンタリー。小笠原にはスペイン人とメラネシアから来た人達が先に住んでいたとか初めて知った。サハリン、琉球、マリワナなどビビッドで懐かしい。良書。2021/05/01

いたる

1
以前読んだ『混血列島論』は本書の続編となる。内容もさることながら構成がこの上なく優れている。 日本統治下のミクロネシアで、1929年から42年まで過ごした土方久功という彫刻家の半生が特に印象に残る。2021/03/09

hiratax

1
ポストコロニアルと副題についているものの、「調べたことをただ書く/全部書く」というスタイルを取って、分厚くなっただけの植民地研究、外地研究本とは異なる。南洋に関しては断片を紡ぎ合わせて、推察を重ねていくさまはスリリングだし、北方論に関してもナショナリスティックな千島・樺太考ではなく、ロシア文学の読み込みにより違った姿が浮かび上がってくる。2015/03/06

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