怨霊の古代史―蘇我・物部の抹殺

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  • サイズ B6判/ページ数 218p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309225234
  • NDC分類 210.33
  • Cコード C0039

出版社内容情報

怨霊信仰は平安時代に始まるのではなく、飛鳥時代に遡る。三輪君逆、穴穂部皇子、物部守屋、蘇我蝦夷・入鹿ら。叛逆の連鎖で葬むられ、怨霊が御霊となって祀られる構造とは。

内容説明

三輪君逆、穴穂部皇子、物部守屋、蘇我蝦夷・入鹿ら…叛逆の連鎖で葬むられた者。怨霊を御霊として祀り鎮める古代人の心性を探る。御霊信仰は平安以前、すでに飛鳥時代に萌芽する。

目次

第1章 飛鳥怨霊史の幕開け―「忠臣、裏切りに死す」。三輪君逆の無念
第2章 血塗られた蘇我王朝―物部守屋、崇峻帝の怨霊
第3章 幻想の聖徳太子―藤原一族の陰謀
第4章 最大の怨霊神・蘇我入鹿―須賀神社、スサノヲ神話を探る
第5章 再生産される祟り神―生け贄の上に築かれた律令国家

著者等紹介

戸矢学[トヤマナブ]
1953年、埼玉県生まれ。國學院大学文学部神道学科卒。神道・陰陽道研究において、独自の視点からアプローチを提示し、常に新たな問題・課題を提起する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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おゆ

10
オカルト本じゃないよ。謀殺事件があった時、黒幕が亡者の祟りを恐れて祭り上げるのが御霊信仰である。つまり怨霊=被害者、祭祀者=黒幕。そして歴史は常に勝者が作る。日本書紀を編纂した欠けない望月・藤原一門が闇に葬ったもの、その動機と方法を解説する筆の明解さが心地よい。全国の神社を祭神・縁起・名前・建築様式などから分析する著者独自のやり方には非常に説得力がある。思えば記紀に対しても、はじめに結論(持論)ありきで恣意的に読むことをいつのまにか当然にしていた。信頼して素直に読む、著者のスタンスに好感を持った。2016/10/08

ランラン

9
これまで古代史に関する書籍は何冊か読んできましたが、蘇我氏に関して新たな説に関して発見がありました。それは素戔嗚との結びつきです。なんと蘇我氏の氏神は素戔嗚とのこと。このことにより蘇我氏の系譜は高貴で正統なものと理解でき、この蘇我氏一族の過去を日本書紀では削除せざるをえなかった。地元では入鹿は今も慕われていることを考えると腑に落ちました。2017/06/11

たけとり

2
面白かった。神社の祭神や建立時期など神社を分析するという方法論から提唱されていて、なるほどなーと。読んでると、厩戸皇子は実在したけど所謂「聖徳太子」は存在せず、彼が行った政治は全て馬子や蝦夷では…と思えてくる。箇所によっては、梅原説のここが間違っているという指摘も多いけど、井沢さんや本屋にある怪しい歴史本(それを読者が知ってる前提になってるのも面白いw)の説なども、ここがおかしいと分かりやすく解説されている。怨霊系だと「怨霊になった天皇」や「怨霊の古代史(別の著者で同タイトル)」などもオススメ。2020/05/02

大臣ぐサン

1
古代史は怨霊が作る。怨霊を知らずして日本の歴史は語れない。平安だけではない、飛鳥時代だってすごいぞ。法隆寺の聖徳太子については梅原猛に真っ向から立ち向かう。果たして聖徳太子は怨霊となったのか?救世観音は誰なのか。蘇我氏の正体とは。怨霊から歴史を紐解け。2021/03/24

モナ

1
読んだ、とか言ってごめんウソ。図書館で借りたんだけどまだ読み終わらないうちに気をきかせてくれちゃった家族によって返却されちゃったのだ。・・・いいとこだったのに・・・。借りる前に図書館でざっと読んだので面白さは保障するだす。このての本は「こうゆう説もあるんだなー」というスタンスで読むに限るわけなんだけど、当時何故ぽっと出の仏教が神を凌駕したのかとか、「明日香」の語源とか、何故「飛鳥」になったのか、とか。雑学としてかなり面白い部分も満載。歴史は勝者によって作られる(作り替えられる?)。その視点でもって古事記か2011/01/07

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