内容説明
日本海に突出し、浦島太郎伝説、羽衣伝説、徐福伝説、大江山の鬼退治伝説など豊かなロマンに彩られた丹後の国。巨大古墳群や海人集団が明かす環日本海文化の残照。日本古代史の謎の異空間を歩く異色の歴史探訪。
目次
1 丹後半島の風土と説話群(環日本海交流史からみた丹後半島;海人集団の足跡;広がる不老不死の世界)
2 丹後半島の古代王権
3 古代の浦嶋子伝承(神仙思想の伝来;『日本書紀』と浦嶋子;『万葉集』と浦嶋子;『丹後国風土記』と浦嶋子)
4 浦嶋子伝承の展開(『浦嶋明神縁起』の世界;御伽草子の浦島太郎;むかし話の浦島太郎)
5 神となった浦島太郎
著者等紹介
滝音能之[タキオトヨシユキ]
1953年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。文学博士。現在、駒沢大学文学部助教授・島根県古代文化センター客員研究員
三舟隆之[ミフネタカユキ]
1959年生まれ。明治大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。現在、渋谷教育学園渋谷中学・高等学校教諭、明治大学兼任講師
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
60
多数の写真を駆使して、浦島伝説の故郷・丹後半島を紹介。日本海を介して、古代には大陸との玄関・拠点であり、最大200m近い前方後円墳も多い。その眼下にあった潟湖(ラグーン)は天然の良港だった。浦島伝説は大陸から伝来した神仙思想を伴った物語として、日本書紀・丹後国風土記などの古典に入った。現存する浦島をまつる神社、徐福伝説との関係、絵巻などの紹介は圧巻。大陸への憧憬が生んだ神仙的物語の主人公に「太郎」という名前がつき、やがては「昔話」に変わっていく歴史が読み取れる。コンパクトで視覚的に楽しめる点がよい。2020/01/09
鈴木貴博
0
旅の予習として読む。浦島太郎伝説をはじめ現地の伝説、歴史の概要と関連する名所を写真、図、地図つきで紹介。2024/06/04