内容説明
本書は世界各地での現地調査の経験をもつ社会言語学者によって書かれた文字概説であり、従来出ている文字概説書とは一味異なる斬新な切り口のもの。より深く文字学の森に進みいるためのウォーミングアップに好適の文字学入門。
目次
第1章 文字以前のエクリチュール
第2章 文字の発明―楔形文字
第3章 エジプト文字とその移り変わり
第4章 中国の文字
第5章 漢字の広まり―朝鮮、ヴェトナム、日本
第6章 アルファベットの誕生
第7章 アルファベットの拡張
第8章 中央アメリカの文字
第9章 アフリカ―文字の戦い
第10章 数の表記
第11章 文字の解読―過去と未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あいひさん
3
「文字の世界史」と云ふより、「世界の文字史」と云はれた方がしっくりくるのは、「紅茶が動かした世界の話」(千野境子)や、「砂糖の世界史」(川北稔)のやうに、ある一つの視点から世界史を覗く、と云った内容を期待してゐたからかもしれない。しかし、よくよく考えてみれば、実際の内容のやうに、それぞれの文字の成立のみに焦点を当てねばならぬことには納得がいく。文字の成立そのものが複雑であり、文字の種類が豊富であることも理由であらうが、文字が創られた時代とはつまり、ほぼ先史時代なのだ。さう気づいて、一人で苦笑ひをした。2016/11/02
suzuki-takefumi
0
系統だった発展史というよりも様々な文字のあれこれといった感じ。アルファベット中心史観には批判的だが、それでもアルファベット偏重と感じてしまうのは自分が日本語話者だからかな。2011/01/20