内容説明
ローマの平和という退屈が、ネロという不可解人物を生んだ。夫を殺した母、その母を殺すという異常劇も、近親相姦、不義密通、あらゆる淫行も、だからどうだというのか。痛烈に現代を映す繁栄期ローマ時代の不気味、かつ赤裸々な人間像を描く歴史的伝記読物の傑作。
目次
1 17歳にして皇帝となる
2 ネロとその時代―アグリッピナ抄
3 女とはやっかいなもの
4 パンと見世物
5 政治家ネロ
6 ローマ炎上
7 ピソ陰謀事件
8 初期キリスト教徒のドラマ
9 ある芸術家の巡業
10 神なる者の非人間的な最期
11 ネロの後継者―ガルバ、オト、ウィテリウス
12 エピローグ―ネロは狂気だったのか?