感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mahiro
10
随分昔以来の再読。ルイ十四世の寵妾にして秘密の正妻マントノン夫人の書簡などを元にした自伝風小説。貴族ではあるが無頼な父親のせいで極貧の生活、母には愛されず物乞いまでして、西インド諸島で植民生活など幼少期から波瀾万丈、ユグノーの父が娘にはカトリックの洗礼を受けさせたりと 当時のややこしい宗教的混乱も今ならわかる。賢く美しく頑固な所もあるフランソワーズがスカロン夫人になりモンテスパン夫人の庶子養育係になって王の側に近づく過程が描かれている、本当に彼女の手記を読んでいる気持ちになる。2020/04/26