内容説明
巨大テクノロジー企業の覇者が世界の情報を支配する近未来。“世界の終末”に備えてひそかに開発された予知装置AUGRは、ついにその日が来たことを告げた。いっぽう、いつのまにかデバイスにAUGRを埋め込まれた有名動画配信者のライ・チェンは、やがて自身が人類の生存をかけた陰謀に巻き込まれたことを知る―。未来を知ることは人類にとって呪いか、それとも祝福か?
著者等紹介
オルダーマン,ナオミ[オルダーマン,ナオミ] [Alderman,Naomi]
1974年、ロンドン生まれ。オックスフォード大学で哲学・政治経済を専攻。弁護士事務所等で勤務後、イースト・アングリア大学でクリエイティブ・ライティングを学ぶ。2006年、DISOBEDIENCEで作家デビュー。同作でオレンジ新人賞を受賞。2016年刊行の『パワー』はベイリーズ賞を受賞し、世界30か国以上で翻訳された
安原和見[ヤスハラカズミ]
翻訳者。鹿児島県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
111
前作『パワー』では男女不平等の逆転が描かれたが、今回も冒頭から「世界が終わった日」とやって読者を引き込む。地球を事実上支配する巨大テック企業の経営者たちは、世界の滅亡後も生き延びるためのシェルターを準備しているが「いつか」は不明だ。そこに売り込まれた未来予測AIが終末の発生を告げた時、彼らはどう動くのかがテーマになると思いきや最後の大どんでん返しで唖然とさせられる。極限まで格差拡大の続く現代社会の病巣を一気に削除する壮大な陰謀を描くが、人類救済という目的のためなら手段を選ばないのは正しいのかを問いかける。2025/07/24
本の蟲
14
全ての女性に電撃能力がやどり、社会が変化する逆転SF『パワー』作者新作は終末SF。気候変動の限界点・核戦争・パンデミックetc。どれだけ備えをしていても、パニックや暴動前に動き出すことは難しい。一見何も変わらないある日、GAFAMがモデルの超巨大企業トップ数人は、終末予測アプリ「AUGR」からの通知で一足先に脱出を図るが…。実際に終末ビジネスは盛況で、超富裕層は広大な土地や島を買い、シェルターに物資を備蓄していたりする。気候変動のチキンレースで、旗振り役だけが生き残る術を用意している経済格差への皮肉2025/05/27
turtle
8
フェイスブックやアマゾンなどをモデルとした巨大テック企業トップたちが、世界の終末に自分たちだけが生き残れる準備を進め、そこに香港出身のレズビアンである主人公やその恋人が絡み、最先端テクノロジー、パンデミック、気候変動などのテーマを織り交ぜて壮大な物語になっており、読み応え充分な作品でした。500ページ超でどうなるかと思いましたが。2025/07/10
本の小さな虫
0
始めっから訳がわかんなくて、何が言いたいかさっぱりで、話についていけず、わりと早目に読むのやめました。2025/06/30