オレンジ色の世界

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  • サイズ 46判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309208794
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

赤ん坊を守るため悪魔に乳を与え続ける母親、化石として発見された少女に恋をする少年、竜巻を育てる時代遅れの仕事にしがみつく中年男……。幻想と現実を不穏に越境する、珠玉の作品集。

著者情報
1981年フロリダ州生。23歳で〈ニューヨーカー〉にてデビュー。独自の世界観が絶賛される。初短篇集『狼少女たちの聖ルーシー寮』で米図書協会の注目作家に選ばれる。他に『レモン畑の吸血鬼』など。

内容説明

私たちは、オレンジ色の世界に生きている。悪魔に授乳する新米ママ、“湿地遺体”の少女に恋した少年、奇妙な木に寄生された娘、水没都市フロリダに棲むゴンドラ乗りの姉妹…。不条理なこの現実を生き残るための、変身と反撃の作品集。

著者等紹介

ラッセル,カレン[ラッセル,カレン] [Russell,Karen]
1981年、フロリダ州マイアミ生まれ。ノースウェスタン大学卒業、コロンビア大学大学院修了。23歳で“ニューヨーカー”にてデビュー。卓越した想像力と独特の世界観が絶賛される。2006年刊行の初短篇集『狼少女たちの聖ルーシー寮』で、米国図書協会の「35歳以下の注目すべき作家5人」、“ニューヨーカー”の「25歳以下の注目すべき作家25人」に選ばれる。11年に発表した初長篇『スワンプランディア!』は、12年のピューリッツァー賞フィクション部門にノミネート、スティーブン・キングが選ぶ「2011年小説ベスト10」に選出されるなど、いまもっとも注目を浴びる米作家のひとり

松田青子[マツダアオコ]
1979年、兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文学科卒業。2013年、デビュー作『スタッキング可能』が三島由紀夫賞及び野間文芸新人賞候補となり、14年にTwitter文学賞第一位。19年、短篇「女が死ぬ」がシャーリイ・ジャクスン賞短篇部門の最終候補に。21年、『おばちゃんたちのいるところ』がLAタイムズ主催のレイ・ブラッドベリ賞の候補となったのち、ファイアークラッカー賞、世界幻想文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

63
「探鉱者」の亡霊たちのイメージはおどろおどろしさが抜け、陽気さが増したオーヴァールック・ホテルの幽霊達(by『シャイニング』)。とは言え、優しくともオビーらの言葉を信じない、自分達が彼女達に強制する事は当たり前に思う幽霊達の姿は醜悪だ。それは現実の特定の女性を(無意識でも)見下している男性の遣り口と同じだから。そして自分が助かりたいが為にクララを生贄にしたのではないかと怯えるオビーの姿も生きる為に同性を犠牲にしてしまう女性の生き方でもあった。クララが叫んだことは『不思議の国のアリス』のラストみたい。2023/08/14

あたびー

47
短編集。生活の中に当たり前のように不思議が入り込んでいる、そんな話が多い。「探鉱者」山の上に素敵なゴージャスロッジがあってパーティーをするからと誘われた二人の少女。リフトを探し当てて登った先のロッジにいたのは…なんと古典的な怪談。「悪しき交配」駆け落ちして砂漠へやってきた二人。絶滅危惧種のジョシュアツリーの花粉が彼女の赤い血と混ざり合い、彼女の意識を支配し始める。2023/09/03

星落秋風五丈原

27
彼女らしい壊れた世界ですね。「ボヴァリー夫人のグレイハウンド」主役はもちろんあの方ですよ。「探鉱者」ものがなしい。2023/06/13

ズー

19
あまりに一行一行が緻密で軽く読むことができない。少しでも流し読みでもしようものなら、情報を取りこぼして、一気に話がわからなくなってしまう危うさ。読み始めたら息が抜けない感じ。わかりやすくてダントツで面白かったのは沼ガール。悪しき交配もよかったし、てか思い返せばどれもよかった。あとがきで、あー!なるほどそうゆうことね!とフェミニズム的解釈もでき、これは青子さんが翻訳するのにぴったりだし、作品にも影響受けてそうと思った。読み直すたび、新たな発見が出てきそうな分厚めの一冊。2023/07/23

花林糖

14
図書館本。短編8話。『狼少女~』、『レモン畑~』、どちらも好みに合う合わないの落差が激しかったカレン・ラッセル。今回は合うかも?と期待しながら手に取りました。「炭鉱者」は好みで◎。他「オレンジ色の世界」も良かった。妙な気持ち悪さのある世界観が好みだけれど、合う合わないの落差はやはり激しかった。2023/06/29

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