出版社内容情報
恋人や趣味までアルゴリズムで決定される究極の格付社会。役立たずの主人公が欠陥ロボットを従えて権力に立ち向かう大ベストセラー。
内容説明
恋人や趣味までアルゴリズムで決定される究極の格付社会。役立たずの主人公が欠陥ロボットを従えて権力に立ち向かう大ベストセラー。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
購入履歴本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
159
書店で気になって読みました。本書は、近未来ディストピア・ブラックユーモア・アイロニー小説でした。本書にクオリティはあっても、クオリティランドにクオリティはありませんでした。こんな未来は厭だぁ!ピンク色のイルカ型のバイブレーターを見つけました(笑) https://www.ms-online.co.jp/vibration-type-singletype/050301106/ 【読メエロ部】2019/10/25
ケイ
151
SFは好きな分野ではないけれど、時々どうしようもなく夢中になる作品がある。これもそう。過去のSFへのオマージュ~アシモフ、ブレードランナー、1984、ポリスのevery breath you take、2001年宇宙への旅、etc…~、数えてたらキリがない。一気にいきたいのをこらえて味わっていると…、ターミネーターの世界になりそうな気配もあるのに、なぜだか機械たちの方に愛着を覚えていた。特にジョンが愛おしくて。結局、邪悪な心を持つのは人間だから、かも。おすすめ。2019/11/20
ヘラジカ
65
文句なし、最高に面白いユーモア小説。もうこれが今年のベストでも良いかなってくらい楽しんで読んだ。恐らくローダンシリーズ以外では初めてお目にかかるドイツSF。しかし、マッチングやレートシステム等の設定には既視感のあるものばかりなので、SFよりもダークコメディとして読む方が正しいように思う。全体に漂う間抜け具合がなんともリラックスさせるし、群像劇調でもすいすいと進んでいく物語は気楽に読めて楽しい。芯があるんだかないんだか分からなくなるくらいおふざけシーン満載でも、風刺はピリッとしっかり効いている。傑作。2019/08/25
らぱん
54
ダークコメディ的英雄譚。ちょっと先の未来、趣味嗜好が完全に把握されており、情報や商品、住居や職業、思想や恋愛のパートナーに至るまで、個人にピッタリあったものが供給される。画面のお勧め広告の類が勝手に送り付けてられて来る世界だ。のび太くん的なお人好しのちょっとダメなヤツが主人公でドラえもんは彼の耳の中の極小のAIアシスタントだ。Amazonを思わせる超巨大企業、精密なアンドロイドの大統領、ポイントによる人物評価、精神を病む機械…最初は毒がきつくて読了できるか心配だったが後半は一気に娯楽化する。愉しかった。↓2019/12/09
seacalf
53
ユーモアがふんだんにちりばめられているのでディストピア小説にありがちな息苦しさや閉塞感がなく、境遇の割に飄々としてどこかとぼけた雰囲気のペーターのおかげで気楽に読める。欲望を失ったセックスアンドロイドにスランプになった電子詩人、飛行恐怖症のドローン、情緒不安定な戦闘ロボット等々ぽんこつロボットたちを従えて行動を起こしていく。知的アンドロイドのジョンとアイシャの大統領選パートも面白く、B級感たっぷりな風刺小説。ジェニファー・アニストンがちょくちょく登場して揶揄されているが『フレンズ』世代としては苦笑い。2020/01/19