出版社内容情報
R.レッドフォードとＪ．フォンダ共演、Netflix配信映画『夜が明けるまで』原作小説。老年の恋をみずみずしく描く。
ケント・ハルフ［ハルフ，ケント］
著・文・その他
橋本 あゆみ［ハシモトアユミ］
翻訳
内容説明
人生最後の恋愛がこんなに初々しいなんて―。それぞれ伴侶に先立たれた男と女が、互いの孤独を埋めるため話をしながら一緒に眠る。ただそれだけでも、新しい愛が始まるには十分だった。世界２２か国でベストセラー『夜が明けるまで』原作。
著者等紹介
ハルフ，ケント［ハルフ，ケント］ ［Ｈａｒｕｆ，Ｋｅｎｔ］
１９４３年生まれのアメリカの作家。２０１４年、７１歳で没。小説作品は５作あり、全米図書賞の最終候補になるほかニューヨーカー図書賞やホワイティング基金文学賞などを受賞している。『夜のふたりの魂』は、Ｎｅｔｆｌｉｘでロバート・レッドフォード、ジェーン・フォンダ共演で話題となった映画『夜が明けるまで』の原作で、作家の遺作となった
橋本あゆみ［ハシモトアユミ］
１９９５年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業。『夜のふたりの魂』が初の訳書となる（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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lily
90
主人公が好きな詩人は触れたくなるよ。T・S・エリオット、ディラン・トマス、e・e・カミングズ、ロバート・フロスト、ウォルト・ホイットマン、エミリー・ディキンソン、ハウスマン、マシュー・アーノルド、ジョン・ダン、シェイクスピアのソネット、ブラウニング、テニソン。映画「夜が明けるまで」とともに。お話しだけの関係素敵だな。心と心の繋がり無くしてできることではないから。ベットの上で身体動かすより口と耳だけに集中する方が難しいかもしれないけれど、関係性はずっと良好なはず。ただただ心の愛撫を求めている夜なのだから。2021/03/10
藤月はな（灯れ松明の火）
71
人生の日暮れであるルイスはご近所のアディに添い寝をしてくれないかと頼まれる。最初は戸惑っていたルイスだが、だんだん、愛人関係とも恋とも違い、互いを労り、寄り添うだけの時間を過ごす時間に心地よさを感じるようになる。血の繋がっている家族だからと言って、互いを慈しみ、労われる事も理解する事でもないというのを知っているからこそ、この二人の関係は理想だなと思ってしまう。だからこそ、二人の関係にルイスの娘は理解を示したが、アディの息子は許さなかった。孫を人質に取られたアディからの突然の別れは胸が痛んだが、ラストに安堵2022/01/06
みねたか@
35
連れ合いを亡くしてから長く一人で過ごしてきた男女。老境に差し掛かった二人が夜をともに過ごすようになる。暗い中で会話する安心感，すぐそばに人がいるぬくもり，聞こえてくる寝息の安らぎ。決して順風満帆ではなかったそれぞれの日々を語り合い，誰にも言えなかった思いを吐露する。互いに語り聴く中で芽生えるかけがえのない想い。そして実感する自らの精神の変化。死が訪れるその時まで，人は人であり続け，他者を愛し，自ら変わっていくことができる。そのメッセージは優しくそして暖かい。2022/06/17
あおでん@やさどく管理人
21
「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」で紹介されていた作品。ルイスとアディ―の夜の語らい、途中からはジェイミーと犬のボニーも加わった3人と1匹の暮らしは、彼らのかつての過ちをも包み込むかのように穏やか。しかし、そんな2人の関係は周囲の人々には理解されず、根も葉もない噂ばかりが広まってしまうのが切ない。2024/03/26
minimu
14
無駄のないシンプルな文章で、淡々と語られる静かな世界。互いにパートナーを亡くし、子どもも独立して一人暮らしをしている男女が、夜の間だけ同じベッドに入り話をする。心を通わせていくにつれ、辛い別れも経験してきたこれまでの二人の人生が、肯定され浄化されていくようだった。秋の夜長の読書にぴったりな一冊。2023/09/08
