フィリップ・K.ディックの世界

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フィリップ・K.ディックの世界

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  • サイズ A5判/ページ数 259p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784309207339
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C0098

出版社内容情報

PKDの生涯の秘密、創作の背景――フィルの盟友が長年の取材と鋭く深い洞察で迫った唯一無二のロング・インタビュー。

内容説明

生涯の秘密、創作の背景、独自の世界観…稀代の作家に盟友が深く鋭い洞察でせまった唯一無二のロング・インタビュー、待望の復刊!

目次

消える現実
紙の上ですごした生涯
住居侵入事件1
三度の神経症
「彼らは小人なんだ、ポール」
どん底の生活のなかで死ぬこと
住居侵入事件2
アンフェタミンと記憶喪失症
「一貫してすばらしい活躍をつづけている」
神に呑みこまれて
夢を見たのはどちらだったのか?

著者等紹介

ウィリアムズ,ポール[ウィリアムズ,ポール] [Williams,Paul]
1948年、マサチューセッツ州ボストン生まれ。1966年、世界初のロック評論誌“クロウダディ”を17歳の時に創刊。音楽評論のほか、SFファンであり、ディックの親しい友人となる。1983年にはディック協会を創設し、彼の死後著作権管理をまかされた。1995年に自転車事故で脳に後遺症を負ったほか、若年性認知症を併発し、長い介護生活がつづいたのち、2013年に没

小川隆[オガワタカシ]
1951年生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科卒。英米文学評論家・翻訳者。訳書多数。1980年代に、サイバーパンクをはじめとするアメリカSFの新しい潮流を日本に紹介した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

97
周囲を比較し/され、「お前は変だ」と言われる事で自分も信用できず、孤独による脆さと虚勢を抱えても生を続けていく。そんな気が狂うような他者や理性的な自己との断絶を哀切さを込めて思索的に描いたフィリップ・K・ディックの人なりを知るインタビュー集。因みにディックは自分の部屋が爆破されているのを発見した時、「良かった、(狙われていると思っていた)自分は狂っていなかったんだ!」と安心したそう。ディックは真の意味での作家だった。そしてディックがプライベートのない世界を予見していたことも注目すべきだろう。2017/12/14

阿部義彦

23
著者のポールは若くしてロック評論誌をつくりSFファンでもありディックの友達となる。2度目の結婚は日本のフォークシンガー金延幸子と結婚して二児をもうけている、83年にディック協会を創設し彼の死後著作権を任されました。ローリング・ストーン誌に載ったインタビューが元です。71年11月17日に、ディックの家で大掛かりな爆破による盗難事件(オーディオと書類、原稿下書き、そして古い小切手が無くなる)があり、それに対する前後の経緯や類推(結局迷宮入り)が主な話題。その他アンフェタミン中毒による入院や女性達の事など。2017/10/08

Bo-he-mian

17
かつてペヨトル工房から出版されていた『フィリップ・K・ディックの世界-消える現実』待望の復刊。盟友ポール・ウィリアムズによるロングインタビューで、本書を読むと、ディックのあの強迫観念・被害妄想的な世界観は、実はディック自身が生涯に亘って体験していたものの投影だという事が判る。アメリカというのは本当に恐ろしい国で、表向きには「自由」「正義」を謳っているが、自分らにとって都合の悪い存在は闇から闇へと葬っている・・・そこが判りやすい独裁国家よりよっぽどたちが悪い。おそらくディックも当局に目をつけられていたのだ。2018/12/08

フロム

13
びっくりした。何が驚いたってディック自身が小説の中の住人そのまんまだったという事。例えば住居不法進入や奥さんとの離婚理由等どこまで本当でどこまでが妄想や自作自演なのか、その境界は読者もインタビュワーもそして著者自身判別不能。「おろ?俺、何でこんな所に突っ立っているんだ」と言うディックの所在と現実感の無さ。そして巨大な存在に常に監視され、運命を先導されている認識は一貫しておりそれは小説を書いている間つまり一生涯変わらない。付き合わされる警察とかも超大変そう。僕が管轄のおまわりだったら転属願い出しちゃうかも。2018/05/17

ナカユ〜、

4
インタビューでは、あけすけな感じも見受けるが、非常に個人的、超個人的な意見としては涙が止まらない。もし自分が心の奥底のド底辺にも微塵もこの日常に何も疑うことなく正常な毎日を過ごせていると感じている人がいれば、その人は完全なパラノイアであろう。2017/11/07

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