内容説明
「一年間、病院のなかを案内人なしの自由行動のもとで取材させてほしい」ニューヨーク市ブルックリンのマイモニデス医療センターは、この前代未聞の取材依頼を受け入れた。ベストセラー作家による前代未聞の密着取材。医療現場の実態を描いた巨大病院マイモニデスの物語。
目次
第1章 オッカムの剃刀は通用しない
第2章 院長はプーバー
第3章 がんセンターの確執
第4章 病院というセーフティ・ネット
第5章 仲介人
第6章 能力。やさしさ。役立つこと。
第7章 あなたの言葉、話します
第8章 利鞘なくして使命なし
第9章 相互尊重の作法
第10章 よい死
第11章 大いなる成功
第12章 医療のゆくえ
著者等紹介
サラモン,ジュリー[サラモン,ジュリー] [Salamon,Julie]
1953年、オハイオ州生まれ。ジャーナリスト。長年にわたりニューヨーク・タイムズ、ウォール・ストリート・ジャーナルの記者として活躍。ベストセラー作家として知られ、ノンフィクションを中心にこれまで八作の著書がある。Rambam’s Ladder(2003)でオハイオアナ図書賞受賞。現在は夫と二人の子どもとともに、ニューヨーク市在住
山村朋子[ヤマムラトモコ]
1970年、静岡県生まれ。立教大学社会学部卒。出版社勤務を経て、ニューヨーク州にてシラキュース大学大学院図書館情報学修士課程修了。現在翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メルセ・ひすい
2
米国は、今も医療保険制度改革の真っただ中!通称オバマケアとは…改革法は2010年に成立した。読書メーター識者ご存じの通り、2014年までに中・低所得者層を補助したうえで、国民に医療保険加入を義務づけるものだ。が、半数以上の26州が反発、憲法に反すると提訴していたが、2012年連邦最高裁は加入義務付けについて、合法とした。巨大総合病院を1年間、自由自在に取材してよいという前代未聞の許可を得る。本書は、医師、看護師から患者まであらゆる関係者を多角的にとりあげその実態を描いたノンフィクション医療ドラマ2013/05/25
白玉あずき
2
インタビュー中心のドキュメント。内容はいささか散漫で読みにくく、医療の現場の複雑さそのまま。読了にかなりの時間がかかりました。病院に関わる者としての共感性が無ければ、途中で投げ出したかも。病気だけではなく丸ごとの人間をケアしようと思えば、経済、福祉、家庭あらゆる問題が噴出してくるわけで、まして舞台となったマイモニデスでは、人種宗教文化あらゆる「すさまじい多様性」が渦を巻いています。「理想主義の新たなる敵、医療産業複合体」という面白い言葉を見つけてなるほどと感心。やがて日本にも登場かな。2013/05/24
Humbaba
1
医療の現場で起こっていることを全て明らかにする。それをやろうと思えば、ものすごい量の情報が必要になる。ある程度までは取捨選択を行ったとしても、様々なことが起こる環境下では収拾をつけるのは困難である。2013/05/24
くさてる
1
ジャーナリストがNYの大病院に一年間取材して書きあげた大病院とそこで働く人々についての本。日本とは医療保険のシステムや都市住民の質が違いすぎるうえに、こういう本を読む人が期待するであろう「病院のちょっといい話」は少ない。登場人物も多いので混乱することも多かった。けれど、内容の充実度とその文章から伝わってくる人々の真剣さや医療そのものへの提言などは、それらのマイナスを上回って有り余るものだった。医療現場で働く人なら、文化の違いを超えて共感出来る事も多いだろうし、その文化の違いそのものもたいへん興味深かった。2013/04/24
takao
0
ニューヨークの大病院で何が起きているのか。2017/07/15