内容説明
ジョイス、ヴァレリー、ベンヤミン、ブルトン…パリのオデオン通りに集う偉大な文学者たちにとって重要な役割を果たした“本の友の家”書店の主人による貴重な回想録。
目次
第1部 オデオン通り(アルフレッド・ヴァレットの思い出;前大戦の思い出;レーモンド・リノシエ ほか)
第2部 他の思い出(子供のみた“メルキュール”社;ロンドンの思い出;イタリアの男たち)
第3部 本の友(本の友の家;貸出文庫目録への序;エドワール・デュジャルダンへの手紙 ほか)
著者等紹介
モニエ,アドリエンヌ[モニエ,アドリエンヌ][Monnier,Adrienne]
1892年4月26日、パリ生まれ。1915年11月15日、オデオン通り7番地に書店を開いた。また、シルヴィア・ビーチの「シエイクスピア・アンド・カンパニイ書店」の設立にも尽力した。ジョイス『ユリシーズ』のフランス語訳の刊行者でもある。1955年、没
岩崎力[イワサキツトム]
1931年生まれ。フランス文学者、翻訳家。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。1986‐88年パリ国際大学都市日本館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sagaway8
8
第一次世界大戦中1917年、アドリエンヌ・モニエがパリ左岸に開店した本屋「本の友の家」。そこはただ本を売るだけでなく、読書サロンであり貸本屋であり、のちに出版社にもなり、日々若き未来の文豪たちの交流の場となった。モニエ自身が雑誌の紙面や講演会で語られた「本の友の家」回想録。直前に読んだ「シェークスピア・アンド・カンパニー書店」のシルヴィア・ビーチもモニエの援助を得た一人。当時、二人の本屋は通りを挟んで向き合っていた。そこはきっと本屋の聖地だったに違いない。2020/09/13
きりぱい
6
『シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店』を読んだら、こちらも読みたくなるという同じ装丁で同時発売のこちら。そもそもシルヴィア・ビーチが書店を開けたのは、このアドリエンヌ・モニエの協力が大きい。作家たちが朗読する読書会に参加していたのもここからなのだ。文学少女だったモニエが自分の信条を曲げず、作家を育てたり出版にも関わる様子は書店主というより編集者のよう。とはいえ、取り集めた文章からなる回顧録で、なじみの薄い作家も多かったので、ロンドンやイタリアでの何気ない話の方がよかったり・・。2011/07/28
にかの
1
私が以前にレビューをあげた『シェイクスピア・アンド・カンパニー書店』の姉妹版と言いますか、その著者であるシルヴィア・ビーチの協力者であるアドリエンヌ・モニエの回想録です。しかしながらこの本はシェイクスピア・アンド・カンパニーを補うものとして読んだほうが良いかもしれません。アドリエンヌ本人がまとまった回想を残さなかったこともあり、断片的な短編集のような形となっているのです。「一方その頃ここでは~」みたいなものが書かれているという感覚で読むべきです。エピソードとしてはやはりロンドン滞在時の話がお薦めです。2012/09/25
Kanou Hikaru
0
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