内容説明
ジョー、ペリーヌ、セーラ、アン、ジュディ、いつの時代も女の子は懸命に生きていた。若草物語、家なき娘、小公女、赤毛のアン、あしながおじさん…世界中の少女たちに100年以上読みつがれてきた“少女小説”を今、歴史のなかにおきなおすと、未知の物語が見えてくる!!あの頃夢中になった物語に隠された真実とは?“少女小説”の系譜をたどりなおす、新たな試み。
目次
第1章 若草物語
第2章 家なき娘
第3章 小公女
第4章 赤毛のアン
第5章 あしながおじさん
終章 エンド・オブ・イノセンス―第一次大戦と少女小説
著者等紹介
川端有子[カワバタアリコ]
京都市生まれ。関西学院大学大学院博士課程後期課程単位取得満期退学、ローハンプトン大学(イギリス)で博士号取得。愛知県立大学外国語学部助教授。イギリス文学・文化・英語圏の児童文学を教える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はるき
34
懐かしい児童文学を著者のバックグラウンドと時代背景を中心に再考察する。盲点がいっぱいあって大変興味深いかつ、何だか少ししょっぱい気分になりました。2017/06/15
はるき
22
艱難辛苦を乗り越えて幸せを掴む話が多い。少女たちの武器は「想像力」「行動力」「知力」。これって今の女性にも当てはまる話ですな!逞しい人物像だからこそ共感する。2020/10/16
マッピー
20
「若草物語」「家なき娘(ペリーヌ物語)」「小公女」「赤毛のアン」「あしながおじさん」を中心に、少女小説から当時の社会を読み解く。物語として、この5つの作品はそれぞれ面白いのですが、子どもの時には気づかなかった、社会とのかかわり。子どもの頃から大好きで、何度も何度も読んだ作品を、新しい切り口で読み解くこの本は、とても刺激的で面白いものでした。いつか自分の読解力だけでここまで読みこめるようになりたいものですが…。2020/02/08
かもめ通信
20
“19世紀の終わりから20世紀にかけて、欧米で書かれた少女向けの家庭小説”=少女小説と定義して、翻訳やTVアニメを通じ、日本でも広く世代を超えて愛されてきた『若草物語』『家なき娘』(=ペリーヌ物語)『小公女』『赤毛のアン』『あしながおじさん』の5つの少女小説を軸に、それらが書かれた時代背景との関連や物語同士の関連を紐解く評論集。ネタとしてはなかなか面白く思わずあれもこれも改めて読んでみたくなってしまったが、それで結局……という「総論」としてのインパクトが今ひとつ弱いような気がしないでもなかった。2018/01/26
マッピー
18
『若草物語』『家なき娘』『小公女』『赤毛のアン』『あしながおじさん』産業革命から始まる核家族と男女分業の家庭。植民地政策、階級社会、労働力としての子ども。大きく変わる社会の中で、自立した一人の人間として立ち上がる少女たちの時代。ほとんどが教師にならざるを得ないという、極めて狭い選択肢でも、前向きに。なんてことを全然考えなくても、やっぱり面白いのだこれらの小説は。自分らしく生きて、周りの環境さえ変えてしまえるだけのバイタリティを持つ彼女たち。いつまでも、いくつになっても、彼女たちは私の大切な存在だ。2024/11/17