Modern & classic
ベル・ジャー

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  • サイズ B6判/ページ数 347p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309204017
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

あの夏、ニューヨークはおしゃれで、華やかに輝いていた。でも、19歳の私はガラスの覆いに閉じこめられ、心は不思議に虚ろだった。30歳で自ら死を選んだ詩人シルヴィア・プラスの自伝的小説。

著者等紹介

プラス,シルヴィア[プラス,シルヴィア][Plath,Sylvia]
1932年、アメリカのボストンに生まれる。17歳で短編‘And Summer Will Not Come Again’が『セブンティーン』誌に掲載され、その後も詩や短編で数々の賞を受賞、多くの雑誌で作品が紹介されるようになる。名門の女子大学スミス・カレッジに進学。在学中に『マドモアゼル』誌のゲスト・エディターに選ばれ、ニューヨークに招待される。しかし約一か月の滞在を終えて帰宅後、自宅地下室で睡眠薬自殺を図り、数か月間精神病院で療養することとなる。その後スミス・カレッジに復学し、1955年フルブライト奨学金を得てイギリスのケンブリッジ大学に留学。1956年、留学中に知り合った、のちの桂冠詩人テッド・ヒューズと結婚する。1960年、初めての詩集The Colossusを発表し高い評価を受けるが、1963年2月、二人の幼い子を残して自ら命を絶つ。没後、詩集を中心とした作品集が次々に刊行され、1981年にはテッド・ヒューズの編集によりCollected Poems刊行、1982年、ピュリツァー賞を受賞する

青柳祐美子[アオヤギユミコ]
1994年、上智大学比較文化学部卒業。NHK朝の連続テレビ小説「こころ」をはじめとして数多くのテレビドラマの脚本や、「友子の場合」「もういちど逢いたくて/星月童話」など映画の脚本を執筆する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

127
嫌悪感しか出てこない。後書きの最初の数行で衝撃を受け、その嫌悪感がさらに強まった。訳者は、作品内の様々な対称性や文学的素晴らしさについて説明しているが、私には支離滅裂で最後は身勝手な思考回路のいきつく結末としか思えなかった。この作品に共感したくも共鳴したくもない、断固拒否したい。二度と読み返したくない、そう強く思う。この本が一時期アメリカの教科書に一部抜粋されていたなんて…、私なら耐えられない。そこまで思わせるのだから、強い何かを持つ悪魔的な本なの? 読む人によって受け取るものが違うかもしれない。2017/05/16

まふ

107
31歳で自殺した天才詩人・作家シルヴィア・プラスの唯一の自伝的小説。若いころから天才少女の誉れ高かった主人公が名門女子大でその才能を発揮するとともにエール大学学生などとの恋の青春を謳歌していたが、あるときから精神不安定となって精神病院での療養生活を続ける。物語は後半の精神病院での生活と本人の心の動きが詳述されるに従って一気に波乱の展開となり、息を継がずに読み切った。たぐい稀なる天才的頭脳の持主であった彼女の苦悩がまさに内面からいくばくかでも読み取れることができて読後感はずしりと重かった。G1000。2023/10/04

NAO

51
ただ勉強していればよかっただけの特待生エスターが、自分が「大学卒業後、何をしたいのか」という生来設計がまるでできていなかったことに気づいて、自分を見失っていく話。優等生の女子大生が感じた挫折・疎外感の表現は自伝的小説だけにリアルで、精神のもろさ、あやうさがあまりにも痛ましい。若者の疎外感が描かれているということで、女性版『ライ麦畑でつかまえて』といわれているらしいが、『ライ麦畑』とはかなり違うんじゃないかと思う。2016/05/28

ケイティ

26
短編集に続き、不穏なのに抜けられないこの世界観に導かれ手に取りました。31歳で自殺した著者のほぼ自伝小説で、詩的な文章力も見事、読み応えありました。少女版『ライ麦畑』とも言われているらしいが、もっと多面的で成熟度も高く、正直そこここに自分がいるようないたたまれなさも痛感。自分のベル・ジャー=釣り鐘形のガラスの覆いに閉じ込められていることから目をそらせず、繊細で潔癖、生きることが地獄だったエスターにただ思いを馳せる読書でした。青柳さんの切なく温かい解説にも涙。もっと読まれてほしい良作。2024/03/24

めるみな

19
【ガーディアン必読小説1000冊】主人公は19歳の女の子だが、私は未だに彼女が悩まされたベル・ジャーに覆われていて、かといって、中途半端な彼女ほどにも投げやりになれずにいて、そのことを突きつけられ、恥ずかしい気持ちを抱えながら読んだ。いつの日か懐かしい気持ちでこの小説と向き合えるようになれるのだろうか。∗∗∗「ショックを受けたり具合が悪くなることもあったけれど、絶対懲りたりせず、自分に言い聞かせた。私は、これからもこうやって物事の真実を掴んでいくんだと」いくつになっても家族ができてもこれでいいのだろうか。2018/01/14

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