内容説明
「アリス」の作者にして当代一級の数学者、聖職者にして開明的な写真家、非の打ち所のないヴィクトリア朝紳士にして少女愛好者。謎に満ちたキャロル=チャールズ・L・ドジソンの生涯を描ききった待望の決定版評伝。
目次
第9章 チャールズの人物像
第10章 父
第11章 信仰
第12章 実りの歳月
第13章 黄ばみゆく葉
第14章 やがて歌声も啼きやみ
第15章 静かにかの良き夜へと
感想・レビュー
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ヴェルナーの日記
4
『不思議の国のアリス』などで著名なルイス・キャロルの後半生を描いた伝記。早熟の天才ルイス・キャロル(ペンネーム)は、20代で作家として確固たる地位に達してしまう。後半生では、キャロルというよりも、本名であるチャールズ・ドジソンとしての活躍が目立つ。クライスト・チャーチの学寮に住みオックスフォード数学の教師であった彼は、『記号論理学』や『ユークリッド幾何学』といった本来の仕事に努力を傾ける。彼は生涯独身を通すが、これは幼児性愛者などではなく、単にクライスト・チャーチに住み続ける条件だったたからである。2014/11/10