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内容説明
マティスが鮮やかな色彩の交錯を楽しむ一方、ピカソは思うがままに構図を操った。博学で雄弁、謹厳実直、「愛こそが芸術を支える」というマティスに対し、内気で気まぐれ、急進的、「狂気に向かって翼をひらいた」ピカソ。フランソワーズが目撃したのは、この北極と南極のような二人の間に育まれた、たぐいまれな愛情だった。二人の巨匠の素顔をふかい理解をもって描く。
目次
1 回想
2 開かれた扉
3 友だちとライバル
4 野獣
5 魔術師
6 純色の切紙細工
7 ジェネレーション・ギャップ、そして過去と未来
8 マティスからの手紙
9 モンパルナスとシミエのあいだ
10 オブジェのメリーゴーラウンド
11 たった一つの道とたくさんの道
12 心の窓
13 モデル、オダリスク、ミューズ
14 ヴァンス礼拝堂
15 ネットワーク
16 冬景色
17 家族の絆
18 芸術の世界に生きる同類
19 太平洋の偶像
20 王の悲しみ
21 アニムスとアニマ
22 究極を求めて
23 線が収束するとき…
24 葬列
25 別れ
年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わんこのしっぽ
16
フランソワーズ・ジロー。ピカソとの間に二人の子を授かるも、唯一ピカソの元から去っていった女性。またマティス晩年の時のピカソとの交流を、最も近くで見続けた女性。マティスとピカソ、交わる事は決してないけれど、お互いが刺激となり作品創造の原動力となっていく。そしてピカソがマティスに対し敬意を払い、時に父と子のような交流を続けていた。やはり天才は天才を知っているんだろうか。二人の交流も興味深いものがありましたが、ジローとピカソの関係も興味深い。ジローがピカソについて書いた著書があるので、そちらも読んでみたい。2013/06/16
fumiko212
1
ジローだから書けたであろう内容が満載でとても興味深く読めた。若くしてすでに美の巨人たるピカソと暮らし、マティス、ピカソと芸術を語る、、、どんなに聡明な女性であってもフランス女でなければこんなことはできないだろう。マティスのアトリエを訪問するシーンはどれも読んでいてゾクゾクした。特に切り紙によるジローの肖像を制作するシーン。図版もありマティスの切り紙絵を理解する手助けになる文章だった。ピカソに今までになく興味を持てたのも収穫。図書館で借りたが手元に置き度々読み返したくなる本。2018/04/15