ナンシー・キュナード―疾走する美神(ミューズ)

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ナンシー・キュナード―疾走する美神(ミューズ)

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  • サイズ B6判/ページ数 535p/高さ 20X15cm
  • 商品コード 9784309201573
  • NDC分類 289
  • Cコード C0097

内容説明

狂乱の1920年代パリ、幾多の星がきらめくその空を、ひときわ輝く“彗星”が駆けぬけた。クイーン・エリザベス号を有する名門キュナード汽船の令嬢ナンシー。透きとおる白い肌、ほっそりした肢体、冷たい緑の瞳、そしてスキャンダラスな行動は多くの芸術家を魅了する。だがナンシーは1920年代のシンボルにとどまろうとはしない。詩を創作し、出版社を設立し、ベケットの処女詩集を世に送り、のちには従軍記者としてスペイン市民戦争に参加する。奔放な情事はルイ・アラゴンを自殺未遂に追い込み、黒人男性への恋はロンドン社交界に激しい怒りを捲きおこす。決して偶像にすることのできぬ、疾走する美神ナンシー。時代への反逆に捧げられたナンシーの波瀾の生涯を鮮やかに描いた、初の本格的伝記。

目次

1 イギリスとアメリカを結ぶ絆
2 貴族の館に生まれて
3 孤独な少女
4 第一次世界大戦前のロンドン社交界
5 若い士官と結ばれて
6 破綻した結婚
7 ベストセラー作家、マイケル・アーレンとの恋
8 『恋愛対位法』―オルダス・ハクスリーの苦い恋
9 処女詩集『アウトローたち』
10 青春のパリ
11 美貌の恋人、ルイ・アラゴン
12 田園生活
13 ヴェネツィアの黒い恋人
14 禁断の恋に落ちて
15 出版社アワーズ・プレス
16 ベケット発見
17 母、レディ・キュナードとの決裂
18 黒人問題へのめざめ
19 辛辣なとげ
20 ハーレムのナンシー
21 『ニグロ』の出版
22 モスクワ訪問
23 スペイン市民戦争下のジャーナリスト
24 フランコ軍の進撃を逃れて
25 チリ、メキシコ、ロンドン
26 夢破れて
27 『偉大なる男』―回想のノーマン・ダグラス
28 ジョージ・ムアの思い出
29 スペインへ、ふたたび
30 悲しい錯乱
31 老いと孤独と
32 最後の旅