内容説明
2つの大戦にはさまれた1920年代から30年代、熱帯の楽園を求めて、人々はバリへ向かった。25歳の作曲家コリン・マックフィーも、偶然耳にしたガムランの響き魅せられて、約束された将来を捨てニューヨークからパリへと旅立つ。神々への祈り、夢のような影絵芝居、邪悪な妖術使い…ガムランのエネルギーにみちた島パリに、西洋の音楽家は何を見つけたのか?東洋と西洋のあわいを漂いつづけた旅人マックフィーが鋭い観察力とユーモアあふれる筆致で描く、最後の楽園バリの素顔。
目次
ブレレン港
南部の町デンパサール
ガムランの調べ
アルジョ劇の夕べ
サヤン村の新居
イダ・バグース、悪霊と闘う
天才作曲家ロットリング
火葬の儀式
再会
新楽団誕生
導師との出会い
谷間に揺らめく火の玉〔ほか〕